田久保派は「何か“大きなもの”が動いて批判一色になっている気がします」

今も田久保市長への支持は変わらないという自営業者は、「彼女は5月に当選して新図書館建設計画を止めましたが、あれはこれまでずっと続いて来たハコモノ行政の象徴なんです。止めようとしたことで、何か“大きなもの”が動いて田久保市長批判一色になっている気がします」と主張。

田久保市長の支持者は、5月の選挙で負けた前市長派の「巻き返し」が今回の騒動につながっていると認識している気配だ。

だが市議会の不信任は田久保市長を選挙で応援した共産党議員も含む全会一致での結論だ。学歴詐称疑惑の追及を逃れようとした田久保市長の態度が事態をここまで悪化させた。

さらに市政関係者の一人は、民心は“前市長派か田久保派か”という単純なものでもないと指摘する。

9月1日、伊東市議会本会で不信任が議決された後、帰り支度をする田久保眞紀市長。持参した布バッグが紫色 撮影/集英社オンライン
9月1日、伊東市議会本会で不信任が議決された後、帰り支度をする田久保眞紀市長。持参した布バッグが紫色 撮影/集英社オンライン
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「5月の市長選で街の人は田久保氏に市政を託したとは言えない。前市長の執政をだめだと思っていた者は市役所にも市議会にも多く、『前市長では何も変わらない』という思いがあって、田久保氏が勝っただけです。

その田久保派なんてもともとごく少数です。『前の市政に戻るのはいや』『田久保も絶対いや』となって“次”をさがす人も多いのではないでしょうか」

変革への期待を受けた新市長が不祥事に向き合わず、議会から退場を求められた。しかし、市長は議会を解散した。止まった市政の中で市民の失望と疲労感はいかほどか。                                  

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班