「市民やマスコミが大騒ぎしていることが楽しいだけなんじゃない?」
この監査請求の方針は当初、市長による議会解散を阻止するための牽制の手段として浮上し、市民の有志が議会解散を避ける申し入れも行なっていた。だが結局市長は解散に打って出た。
この状況について、「彼女の性格から考えても解散は予想通りだったので特に驚きはありませんね」と話すのは前出とは別の前市議だ。市議選の構図をこう解説する。
「選挙で田久保市長は最低7人は自分側の市議を当選させておきたいわけです。定数20人の市議会で次にもう一回不信任案が可決されれば田久保市長は今度こそ失職です。しかし不信任案は定数の3分の2以上の議員の出席で採決が可能になります。ここで3分の1を超える7人の議員が『お腹が痛い』などと言って欠席すれば採決できなくなるわけです。それが狙いなのでしょう。
伊東市民が見ても誰が田久保派の立候補者かは一見ではわからないでしょうが、田久保派のかたは“信者”と言われるほど結束が固いので、田久保派であることを前面に打ち出して市議選に臨むような気がします。田久保市長と支持する人たちは打ち合わせもよくしていると聞きます」(前市議)
「反田久保派」の中には、「市長が戦略的に市政の掌握を目指している」という見方とは違う声もある。反田久保派の別の前市議はこう語る。
「田久保市長のSNSなどを見ていると、もはや自分の発言や行動で伊東市民やマスコミが大騒ぎしていることが楽しいだけなんじゃないかって見えてしまいます。『ジョーカー』って映画あったでしょ。ジョーカーみたいなノリですよ。世間を騒がすのが楽しいだけなんじゃないか、メリットとかデメリットとかではなく田久保市長は楽しくて楽しくてしょうがないんじゃないかっていう風に見えます。
市長をいまだに応援するという人たちも確かにいますが、全国で起きていることと同じことではないですかね。陰謀論にとらわれてしまっているようなタイプのかたが多いんですよ。だから極論に持っていこうとするわけです」(反田久保派の別の前市議)
表向き、伊東の街では田久保市長に批判的な世論のほうが強そうだ。今も支持を変えないという人も、特に田久保市長が辞意を撤回してからは、人の集まる場所で田久保氏を応援するようなことを言うのは“タブー”になっていると証言する。(♯20)
伊東市で商売をする、ある住民は「田久保市長は紫色が大好きでイメージカラーと認識されているんですが、最近街ではカバンとか小物とか、なにか紫色のものを持っていると“ひょっとして田久保派?”なんて冗談めかして聞いたりもします」と話す。













