「球技大会の巻」(ジャンプ・コミックス第157巻収録)
今回は、60代70代の高齢者が子どもの頃に遊んだ玩具「スカイピンポン」をリバイバルヒットさせようと、両さんが目論むお話をお届けする。
スカイピンポンとは、円錐型のラケットを使って遊ぶスポーツ玩具、またその遊び・競技を指す。
ソフトクリームのコーンを大きくしたような円錐形のラケットを使い、ピンポン球を飛ばしあって2人ひと組で遊ぶ。円錐形のカゴの底部には板バネが仕込まれており、グリップ部のスイッチを押すとバネの力でピンポン球が発射されるのだ。相手はカゴを使って球をキャッチすると、今度は球を発射する側となる。
要は、羽の代わりにピンポン球を、そして筋肉の代わりにバネの力を使って行う羽根突きかバドミントンのようなものだ。腕の力を使うわけではないので小さな子どもでも遊べ、球の飛距離が短いため場所も取らない。なんなら室内でプレイすることも可能だった。
このスカイピンポンを1956年に売り出して大ヒットさせたのが、玩具メーカー・タカラトミーの前身であるトミーのさらに前身、とみやま商事だ。この製品は、それまでブリキや木材、紙などを使っていた玩具の素材をプラスチックへと変革させた、エポックメイキングな一品だった。
とみやま商事は、当時から葛飾区立石に本社を置いていた。また、2006年に同社と合併したもうひとつの玩具メーカー・タカラは、葛飾区青戸に本社があった。葛飾区は第二次世界大戦後に工業地帯として発展し、多くの玩具産業もまたこの地に集っていたのだ。
ちなみに亀有はというと、三菱製紙や日本紙業、日立製作所などの大規模工場を有していた。「こち亀ゲームぱ~く」が入っているショッピングモール「アリオ亀有」は、日本製紙亀有工場跡地に建設された。
それでは次のページから、両さんたちいい年をしたオッサンたちが、スカイピンポンに血道を上げ、やがてエクストリームな競技へとエスカレートしていくお話をお楽しみください!!