姉のすすめでアイドルに

――なんと、お姉様からのすすめでアイドルに挑戦したんですね。

はい、当時すでに23歳で、アイドルとしては遅咲きだったので、「1年で売れなかったらやめます!」と決めていました。結果的に1年間やらせてもらいましたが、自分の中では爆発的に売れたという実感はなく…。区切りがついたのでグループを卒業しました。

――2015年にご結婚され、お子さんも誕生していますね。その後はどんな活動をされていましたか。

芸能界を一度離れて、普通の仕事も経験しましたね。昔からアクセサリーを作るのが好きだったので、ファッション業界で働いた後、ハンドメイドの認定講師資格も取って、アクセサリーブランド「icomiki(いこみき)」を立ち上げたり。

ハンドメイド作品には思い出があって。姉のバースデーイベントの時、衣装の帽子をネットで注文したかったけど、到着が間に合わないかもしれないって言っていたんです。

その帽子の写真を見て、『使うか使わないかは自由だけど、よかったら』って、似たようなものを編んでプレゼントしたんです。そしたら気に入ってくれて、その帽子を衣装で使ってくれて、インスタにアップしてくれたのは嬉しかったですね。

――再び活動を再開しようと思ったきっかけはどんなことでしたか。

子供が生まれてからは、「歌やダンスに関しては満足したのかな」と思っていたんですけど、心のどこかで「もう一度ステージに立ちたい」という気持ちがわいてきて。夫や友達に相談したら、「美樹がやりたいならやってみたら?」って背中を押してくれたんです。

アイドル時代の矢口美樹さん(下段センター)
アイドル時代の矢口美樹さん(下段センター)

――現在は、TikTokでライバーとして活躍されていますね。

はい、ライバーになるきっかけは、松竹時代にお世話になった先輩で介護タレントの西田美歩さんからご紹介いただいたことです。

「やぐ(矢口)は配信に向いてると思うよ」と言ってもらったので、当時流行っていた17LIVE(イチナナ)で配信を始めたんです。

2023年7月まで4年間はイチナナで、そこからはTikTokに移行して、今は毎日19時から21時までの2時間、配信しています。息子は「ママはこれが仕事なんだ」と察してくれているのか、テレビを見たりゲームをしながら配信が終わるのを待っていてくれています。

――TikTokでの活動で大変だったことは?

1位になったら渋谷の大型ビジョンに出られるイベントがあったんですが、1回目は惜しくも2位で出られなかったから、本当に悔しくて。

リスナーさんと、どうしたら次は勝てるかを話し合って、2回目のイベントで1位になれました。配信はひとりじゃできないって、本当に感じました。

これだけ頑張れるのは、「はいよろこんで」って曲がバズったこっちのけんとさんの動画を見て励まされたことですね。

家族が超有名人という同じような境遇の方が活躍している姿を見て、「わたしも頑張ろう!」って。そこから本気でTikTokに取り組むようになりました。