鉄オタ界の不良集団「大宮赤ラン軍団」

事件は6月26日、大阪・関西万博会場内のオフィシャルストアで起きた。20〜22歳で構成された鉄オタグループの男6人が、万博の公式キャラクター「ミャクミャク」の関連グッズを大量に万引きした窃盗容疑で逮捕された。

大阪府警によれば、これまでに20代の大学生3人(いずれも東京都在住)の平原雄大被告(20)と木村彩人被告(22)、瀬間陽人容疑者(21)が、会場内の店舗で、限定商品の“黒いミャクミャク”のぬいぐるみやカチューシャなど、計100点以上を盗んだとして逮捕されている。

平原被告と木村被告がストアショップの店員に声をかけられ、その様子を見ていたほかの4人がその場から逃走したという。

そして8月13日、残りの2人である東京都在住の大学生・名取利恭容疑者(21)と、無職の荒牧賢人容疑者(21)がミャクミャクの扇子などを万引きした疑いで逮捕され、15日に最後の1人である東京都在住の大学生・河野晶博容疑者(20)が逮捕された。

河野容疑者の自宅の天井裏からは「ミャクミャク」のキーホルダーなど約50点が見つかった。河野容疑者は「以前に盗んだ」と供述しているという。

大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」(撮影/集英社オンライン)
大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」(撮影/集英社オンライン)
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6人の共通点は、鉄道撮影を趣味とする「鉄オタ」だった。彼らは「大宮赤ラン軍団」と呼ばれており、鉄オタ界のなかでも窃盗などの悪さをする“不良”だった。赤ランとは赤いランプの略で、改札機が異常を検知したときに光るランプの色を指しているという。

府警関係者が話す。

「この6人組は日頃から大宮駅などで無賃乗車を繰り返していた。今回も東京駅から入場券(150円)だけを購入して新幹線に乗車、新神戸駅で下車。入場料以外の料金は払っていない。

またグループの1人から『撮り鉄のなかで不正乗車は当たり前』などという話もきいています。

悪質なのは、万博の関連グッズがフリマアプリなどで高く売れるため、転売目的でわざわざ大阪まで来て、大量に万引きしている点です。このグループは別日も万引きを行っていた疑いなど余罪の可能性があり、今後捜査を続けていきます」

逮捕された6人は無賃乗車の常習犯だった(撮影/集英社オンライン)
逮捕された6人は無賃乗車の常習犯だった(撮影/集英社オンライン)