吉岡里帆、新作映画で髪を20cmカット

「水上(恒司)さんが演じる工藤発は、本当に漫画から飛び出てきたようで。あと小黒(シャオヘイ/花瀬琴音)も。ふたりの漫画への理解度の深さに感動しました。ただ、自分自身についてはなかなか冷静には分析できないですね」

と話すのは吉岡里帆。映画『九龍ジェネリックロマンス』のヒロイン・鯨井令子を演じている。物語の舞台はノスタルジックな街・九龍城砦。不動産屋で働く鯨井令子は、先輩・工藤発(水上恒司)に思いを寄せているが、なぜか昔の記憶がない。ある日、工藤には自分と瓜二つの婚約者(鯨井B/吉岡里帆)がいたことを知る。戸惑いながらも、ふたりの距離が近づくほどに、真実が明らかに……。

令子役をやるにあたり、髪を20㎝ほどカットしたという。

役作りのため髪を20cmカットしたと話す吉岡里帆 撮影/入江達也
役作りのため髪を20cmカットしたと話す吉岡里帆 撮影/入江達也
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「あんなに短くしたのは久しぶり。最初、ショートのウィッグでやる案もあったんですが、『これは切らないと無理だ』と思って。台湾の熱い日差しと風を浴びた肌感や髪の感じといいますか……、 汗がダーッと滲んでいる感じは、ウィッグだと出ないなと思ったので。

それにやっぱり、できるだけ原作ファンの方ががっかりされないように、あらゆるアプロ―チで原作のビジュアルに近い状態に持ってこうと考えてました。レコぽん(鯨井令子)と鯨井Bでは、実はメイクが違うので、全部落として作り変えています。すごく繊細で、ちょっとした違いなのですが『同じ見た目だけど違う人なんだ』とわかってもらえるように」(吉岡里帆、以下同)

漫画好きを公言する吉岡の、原作へのリスペクトと役への真摯さが感じられる。令子と工藤、ふたりの恋愛や関係性について聞いてみると、

「ふたりって、すごく『ちぐはぐ』じゃないですか。過去の記憶を持たないレコぽんと、すべての記憶を持ったまま彼女を受け入れている工藤さん。いびつ性から生まれる深い絆というか、そんないびつさをも抱擁する恋愛の力というか。そこは、やっぱり見ていて惹かれますし、見どころだと思っていて。

『恋は理屈じゃないんだぞ!』というか。そして、特に映画では疾走感も感じていただけたらと思います」