お皿を小さくしただけでカロリー摂取量が少なくなる

ダイエットにまつわる論文や研究は驚くほど多く、それだけ人間の普遍的なテーマであると言い換えられるかもしれません。

たとえば、シンプルなものでは、「お皿のサイズを変えるだけでカロリー摂取量が22パーセントも低下する」というコーネル大学のウォンシンクらの研究があります。

写真/Shutterstock
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実験では、225人の被験者を対象に、お皿のサイズを変えることで食事の摂取量がどのように変わるかを調べました。その結果、皿の直径を30センチから25センチに変えただけで、カロリー摂取量が平均で22パーセントも低下することが明らかになりました。

また、ラフバラー大学のジェイムズらの研究では、「小さいスプーンで食べると約8パーセント食べる量が減った」そうです。これは、小さいスプーンで食べるとひと口あたりの食事量や食べる速度に変化が生じるからと言われています。

このように、食事を摂る際に食器を変えるだけで効果があるのですが、もしさらなる効果を望むなら、心を整えるとさらに効果的です。

食べることに集中して食べるだけで摂取カロリーが減る

食べるときに、「マインドフルネス」を意識すると、食事の楽しさが増し、とくに不健康な食べもののカロリー摂取が低下し、さらには食べものを楽しむ感覚が摂取カロリーを減らすということにもつながることがコロラド大学ボルダー校のアーチらの研究でわかっています。

マインドフルネスな食べ方とは、食事や食べる経験に意識を集中し、現在の瞬間を大切にするアプローチです。

この方法では、まず食べものの味や香り、食感、見た目に心を向け、ひと口ごとにじっくりと味わうことが重要です。また、食べものを噛むときの感触や飲み込むときの感覚など、体の反応にも意識を向けることで、より豊かな体験を得ることができます。

さらに、自分の感情や満腹感を観察し、批判せずに受け入れることも大切です。なぜその食べものを選んでいるのか、どのように感じているのかを考えることで、食事に対する理解が深まります。食べものの背景や生産過程を考慮し、感謝の気もちをもつことも助けとなり、食べものとのつながりを感じることができます。

そして、食事はほかの活動と同時に行わず、食べることそのものに集中することで、本来の味や体験をより深く味わうことができるようになります。このように、マインドフルネスをとり入れた食べ方は、食事体験を豊かにし、健康的な食習慣をうながす手助けとなります。