独自の「投票証明書」を発行する動きも
選挙の普及啓発活動は18歳未満の児童を対象にしたものばかりではない。近年は独自の「投票証明書」を交付する動きも広がっている。
静岡県沼津市では、今回の参院選で「ラブライブ!サンシャイン!!」デザインの投票証明書を発行。大きな反響があったという。
「投票を終えて希望された方に『ラブライブ!サンシャイン!!』デザインの投票証明書をお渡ししています。投票証明書を新デザインにするという案は昨年度くらいから出ており、今回の参院選で実現しました。期日前投票では以前よりも若いかたが増えたように感じます。当初は1万枚を用意していましたが、期日前投票で多くのかたが受け取っておられ、急きょ2万枚を増刷しました」
投開票日の約1週間前時点で、投票率は前年比1.38倍。投開票日当日でも希望すれば投票証明書をもらえるようだが、数に限りがあるため、なくなり次第終了となる。また、譲渡やオークションサイトへの出品は控えるように注意を呼び掛けていると担当者は話した。
また東京都品川区では、しながわ観光大使も務める人気キャラクターの「シナモロール」をデザインした投票証明書を発行している。
同区では、2022年10月の品川区長選挙・品川区議会議員の補欠選挙の際に、啓発キャラクターとして「シナモロール」を起用。23年4月からは、しながわ観光大使“見習い”の「ハタチの龍馬 with クロフネくん!」というキャラクターとともに、投票証明書にデザインしているという。
「もともと投票証明書は、職場を離れて投票に行く有権者のなかで、会社から提出を求められたかたのために各自治体で発行しているものです。公職選挙法に規定がないので、交付してない自治体さんもあります。証明書扱いになりますので、『配布』ではなく、ご希望の方に証明の一つとして交付させていただいております」
このように話す同区選挙管理委員会事務局長によれば、キャラクターをデザインした証明書の発行による投票率の変化についてはまだ検証できる段階ではないが、家族連れで投票に来る有権者などには好評だという。