頭が上がらない女芸人
—一方で、麻婆さんは借金がある。
麻婆 (同期の納言・)薄幸だけじゃないですけど、まあそうですね。まあまあ借りてるだけなんで。
トシダ だからそれなんなんだよ。さっきから借りてるだけって。
麻婆 返すんで。昔やっぱ漫画とか借りたじゃないですか、友達に。そういう感覚です。
トシダ 返さないだろ。
—何かにめっちゃ使っちゃうんですか?
麻婆 いや僕本当に働きたくなくて。とにかくバイトをしたくない。お笑い以外の仕事したくない。ABEMAの『なんてネタだ!グランプリ』っていう動画の賞レースでグランプリ獲って100万円もらったときも、その瞬間にバイト辞めちゃったんですよ。
そのお金もあっという間になくなって、そのままバイトしない生活が続いて、借金増える。
トシダ 完全に怠け者の体でしょ。
—ダブルインパクトの賞金で今度こそ借金が返せますように……。おそらく決勝を機にお仕事たくさん増えると思うのですが、やってみたいお仕事は何かありますか?
麻婆 僕はやっぱりラジオですかね。今もやらさせてもらってるんですけど、できれば夜25時台のラジオとかできたら嬉しい。でも、それやるためには売れてなきゃいけないじゃないですか。だからもっと頑張ろうっていう感じですかね。
トシダ 僕は銀幕デビューですね。映画、ドラマ、国民的タレント、スターになりたいですね。あと、お仕事ドラマの意地悪サラリーマン役めっちゃやりたいんですけどね。メンタル削ってくるタイプ。パワハラ上司。有名になれれば何でもいいです。承認欲求の塊なんで、僕は。
—今「有名になりたい」っていう芸人さんは少ないかもしれないですね。「テレビで世に出たいではなく、ネタで認められたい」とおっしゃる方が多い気がする。
トシダ そんなかっこいいこと言えないですよ。目立ちたいだけです。ネタで勝ち上がりたいなんてよく言えるなと思うけどな〜。プレッシャーになるし、ハードル上がんないですか。
麻婆 単独ライブを毎年やってる人とかはそういう感じなのかなと思います。みんなすごいですよ。
トシダ 僕らも単独3、4回やりましたけど、やっぱネタ作るのはしんどいですね。やるのは楽しいんだけど。だから、できてるものを読むだけのドラマがいいですね。
—真空ジェシカの川北さんやトンツカタンの森本さんなど、一足先に有名になった同期へジェラシーを感じることはありましたか?
トシダ いや、ジェラシーなんて、もうそいつらだいぶ早かったですからね。やっと追いつけたというか、あいつらと戦える場所まで来れたのが嬉しい。たぶんあっちからしたら僕のことなんてマジ何も見てないと思います。
「あ、まだいるんだ」「トシダようやってんな」ぐらいの。ほんとに昔から面白かったですからね。「川北世代」と言われるくらい。
麻婆 平野ノラなんか爆速で売れていったしなぁ。めっちゃ普通にファン。
—ダブルインパクトの結果如何で、M-1などでも一気に優勝候補に挙げられるようになりますよね。
トシダ どう考えても優勝候補なわけないですけど。
麻婆 M-1の会見めちゃくちゃスベりましたよ。
—お二人が一番獲りたい賞レースって……何ですか。
麻婆 それは……ダブルインパクトです。
トシダ お前も勉強しだしたな。そう、ダブルインパクトです。
麻婆 本当はSMAホープ大賞です。
トシダ もう獲っただろ。
麻婆 あれはね、当日に賞金をもらえるんで。
取材・文/西澤千央 撮影/高木陽春