顔塗ってふざけて捨てたM-1の3年間
—今回決勝が決まって、所属するSMA(ソニー・ミュージックアーティスツ)の先輩から何か声をかけられましたか。
麻婆 この間(ハリウッドザコ)シショウに会って「いったな!」って。錦鯉の(渡辺)隆さんとか、や団の本間さんもLINEくれました。
—みなさんめちゃめちゃ喜んでくれている。
トシダ そうですね。どうなんだろうな。や団さんはヒヤッとしてる可能性はあります。「先に行くのかお前ら」みたいな。
麻婆 確かに(笑)。
トシダ でも応援はしてくれてます。
—錦鯉さんはM-1の前にバイきんぐ小峠さんにネタのアドバイスをもらったとお話しされていましたが、お二人はそういうことされていますか。
麻婆 去年のM-1の準決勝の前は、それこそ隆さんとか先輩に見てもらったりしたんですけど。
トシダ お願いすればスケジュール空けてネタ見てくれる。ネタのことを言ってくれるっていうのはSMAならではで、あんまり他の事務所にはないって聞くので。
—ネタのアドバイスはちゃんと聞くんですか? お二人は。
トシダ 聞かないほうかもしれないです。取り入れるところもちろんあるんですけど、基本的にあんまり聞かないですね。
—昨年のM-1敗者復活戦で話題になったネタ「ほんち(ほんとにう●ちしてます)」もそうやって生まれた。
トシダ 確かにあんなのアドバイス必要ないですもんね。麻婆がネタの設定を持ってくるんですけど、やっぱ変ではありますよ。他の人がやってないようなことをやりたがる癖がある。
麻婆 コントのときは特にそうでしたね。誰もやってないことをやりたい。それでいうと漫才なんかだいぶ見やすくなってると思います。昔やってたコントに比べたら。
—過去のM-1に顔面を塗って出場されていたというのもその一環なのでしょうか。
麻婆 最初は前日にフグ食べて体調悪い人みたいな設定でした。それから緑とか白とか、舞台上でメイクするとか、ただの奇行ですね。みんなスーツ着て漫才やってるのに楽屋で顔塗ってるの恥ずかった。
トシダ ふざけてたもんね、完全に。
麻婆 いやでももったいねえ、マジであの時間(笑)。遠回りしたな。まあでも、そういう時期か。
トシダ まあ、そういう時期もある。本当コントしかやってなかったんで、M-1は記念受験じゃないですけど、3回戦いけたら動画が載るので、色塗り漫才が披露できりゃ、それでよかった。
それこそ(麻婆と同期の)納言も賞レースで売れたというよりはM-1の動画でけっこうバズってじゃないですか。そういうパターンも当時はよくあったんで、変なことしてれば目立てるかなぐらいの気持ちで3年間、顔に色塗って漫才してました。3年捨ててましたね。