「あんまなめてるとマジで…」ナイフを突きつけられ恐喝 

納得のいかない男性は山下容疑者に対し、「警察に全部話す」とほのめかしたのだという。

「すると、山下は『クソガキがなめやがって。近くのコンビニにいるから来い』と。こちらも引くつもりはないので、指定されたコンビニまで行きましたが、山下に近寄ったところで彼がナイフを持っていることに気づきました。それもよくある小型のナイフとかではなく、刀剣というか若干湾曲した刃の長い特殊なナイフでした。

山下は『あんまなめてるとマジで殺すぞ』と僕にナイフを向けてきて……。さすがに恐ろしくて、『警察に言うのはやめる』と言うと、逆にお金を請求されました。給料が入るたびに月々10万円をとられるようになったんです。

『お前、俺と一緒に来い』とやたらと連れ回されるようになり、2回に1回くらいの割合で、持ってきたナイフを向けられたりもしました。さすがに耐えられず、山下より立場が上の人に間に入ってもらったら、それっきり僕には近寄ってこなくなりました」

浜松中央警察署(撮影/集英社オンライン)
浜松中央警察署(撮影/集英社オンライン)

 逮捕時は無職だった山下容疑者。だがその職歴をたどると、塗装業、運送業、そしてまた塗装業などを転々する生活だったようだ。社会人になってから山下容疑者と知り合ったという知人は、彼の意外な一面を語る。

「知り合った頃の山下容疑者は、いわゆる強面の元反社とかそんな感じは一切なく、どちらかと言うとゲームが趣味で、内向的な性格に見えました。ゲームはドラゴンクエストが好きでしたよ。

見た目はあんな感じで強面ですが、言い方は悪いですが社会人デビューなのかなって思ったくらいですから。ただ、メンヘラ気質というか、承認欲求が強かったように思います。『会社にとって俺は必要ねえのかな』とかたまに言っていましたから」

この知人が山下容疑者と交流があったのは、1年前くらいまで。当時、山下容疑者は建設業で働いていたという。

「仕事自体は真面目にやっていましたし、本人も仕事のことや将来のことを考えている部分もあって、建設に関する国家資格をとったりもしていました。資格に関しては、詳細は伏せますが、何の勉強もせずにとれる資格ではありませんでしたから、努力はしていたと思います。

建設業の前は運送会社で働いていたのですが、そこは飲酒運転で捕まって退職していて、ちょうど1年前くらいは免許についても取り直しをしていましたね。お酒に関しては報道に出ている感じで飲み歩いていました。ファッションは好きで、洋服を買ったり、ナイキのエアフォ―スワンを収集したりしていた」

殺害された竹内さん
殺害された竹内さん