あまりに稚拙な政治をしていないか
環境大臣しか閣僚ポストをやったことがない総理候補などいないため、自分自身が総理総裁になる芽を残すために、早々に他の大臣ポストが欲しかったのであろうが、このような振る舞いはあまりにも軽率過ぎる。今後、待ち受ける政治的顛末は、農政改革を期待する国民にとって残念なものとなるだろう。
石破総理がやっていること、小泉大臣がやっていることは、日本という大きな船を動かすために、あまりに稚拙な政治だ。
安倍・菅時代であれば、何かを実行するための下準備、政府内人事・党内人事はしっかりと仕込んだ上で取り組んできた。(ちなみに、岸田前総理が、総理としてやりたいことが「人事」と言ったことに絶句したのは言うまでもない。それはそれで本末転倒だ。
今の自民党政治はつまらない党内権力闘争が主となっており、何かを実現するための政治、という要素が抜け落ちている。ビジョンなき政治家、そしてビジョンを実現する方法を知らない政治家が増えてしまった。農政改革に限らず、船頭なき日本の針路に不安を覚えざるを得ない。
文/渡瀬裕哉