30歳をすぎて父親を殴る 

父親がみぞのさんの気性や精神に与えた影響は大きい。

「父は自身の学歴コンプレックスから、その代理戦争を私にやらせようとした人で、子どもの気持ちを推しはかることはしません。粗暴な側面があり、私は母や祖母が父に殴られるのを見て育ってきました。

唯一、母が味方でいてくれたことが救いでした。私のために父という暴君に抵抗してくれたのを今でも覚えています。

高校時代に父から殴られた私は、『もう1回手を上げられたら、家を出たい』と母に伝えました。そしてその約束通り、『もう1回』のタイミングで高校近くに家を借りて、父とは別居して一緒に住んでくれたんです。そして、そのまま両親は離婚に至っています」

現在シングルマザーのみぞのさんだが、父親との関係は……
現在シングルマザーのみぞのさんだが、父親との関係は……

横暴な父に対するみぞのさんの感情とその結末を、彼女はあまりに晴れやかに語る。

「家庭内で暴れる父親をみて、昔から私は父を『一度でいいからぶん殴ってやろう』と思っていました。そして一昨年、父の後妻とうまくいかなかったことから口論になり、取っ組み合いの喧嘩に。30歳をすぎて、ついに父に拳を入れてやりました。父が経営していた会社を私が引き継いでいたのですが、それを機に私は社長を退き、それ以来父とは交流がありません」