サラリーマンこそ交渉しよう

そもそも会社と従業員に優劣はありません。

日本人は、会社が上で従業員は下という認識があるように思いますが、契約関係としては対等です。やりたい仕事があり、やってほしい仕事がある、WIN-WINの関係で成り立っているのが本来であり、奴隷のように一方的に使役されるものではありません。

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まず、会社と交渉をするという当たり前の行為を覚えましょう。多くの人は、会社の命令には唯々諾々としてすべてを諦めて受け入れ、交渉という発想には至りません。しかし、あなたは奴隷ではありません。ちゃんとサラリーマンとしての要求を伝えるようにしてください。

もちろん駄々をこねる、ワガママを言うのではありません。日本人は交渉という文化に慣れておらず、会社が要望を聞いてくれるわけがないと断じてしまいますが、ワガママを言うことと、要望を伝えて交渉することは、正反対の行為です。

ワガママとは「我がまま」ですから、自分の都合を相手に押しつけることを指します。これは当然のことながら組織として受け入れられることはありません。

しかし私が言っているのは交渉です。

交渉とは相手の言い分と自分の言い分の交差点を探ることです。組織に対してメリットを提案して、その代わり自分もメリットを享受する、あくまでWIN―WINを前提に行うものです。

例えば、交渉の材料としてわかりやすいのは、売り上げ目標です。一年の売り上げ目標を交渉材料として提案して、2年目の働きかたはこうしてほしいと要望を出します。

また、働きかたの環境を変えてもらうための交渉をしてもいいでしょう。現場にどうしてもウマが合わない人がいるので、一緒には働きたくない。取引材料となる提案をして、達成できれば、この人から離してほしいと要望します。

上長や先輩など話の通じそうな人とコミュニケーションをとり、自分の理想を叶えるための方法を探り、会社と交渉をします。一年、ないし二年計画を立て、理想の働きかたがつかめるようにロードマップを設定するのです。

会社にとってメリットになることは、売り上げだけでなくともいろいろな取引材料があるはずです。あらゆる可能性を探ってロードマップをつくるようにしてください。

配置転換の可能性を探っても、どうしても実現不可能であれば転職を考えましょう。

転職であっても、方法論はまったく同じで、スキルが足りないのであればロードマップをつくってスキルを獲得します。

何より大事なことはパッ見で判断して思考を停止しないこと。できなさそうだ、ダメそうだではなく、どうしたらできるかを考えてください。時間をつくって考え続けましょう。成果はその先にあります。