「立ちんぼって言葉はTikTokで知った」
アルゼンチンから来たという男性2人と女性1人の3人組は歌舞伎町を訪れた理由をこう述べた。
「YouTubeで見て混沌とした活気を感じた。生で見ると想像以上だ」(ジョジュン)
「トー横キッズは音楽流して高揚感を感じてるよね、鬱屈した気持ちをここで晴らしてるのかな」(アナ)
「立ちんぼって言葉はTikTokで知った。怖いもの見たさのような感覚だ」(ニコラス)
欧米系の観光人客らが一様に“立ちんぼ”や“トー横キッズ”らに対し同情のような哀れみのような複雑な目を向ける中、アジア系観光客たちの目線はまた少し違った。
インドネシアから訪日したルビスさん(19)とアルサスさん(23)は立ちんぼ目的で歌舞伎町に来たという。
「TikTokで1万5000円でイチャイチャできるって見たから、今日はすでにそのお金を用意してる。大久保公園はどこなんだ?って地図を見てたとこだよ」(アルサス)
だが、立ちんぼを買うことは違法なのだということを伝えると、驚いたような顔でこう言った。
「え! そうなの! なぜ? 彼女らはそれで生計を立てているんじゃないの?」(アルサス)
「正直、歌舞伎町に来てる男性観光客のほとんどが立ちんぼ目的だと思うけど? それくらいTikTokでは歌舞伎町=立ちんぼってイメージがある」(ルビス)
インドネシア人のこの2人は、大久保公園への案内を記者らに求めてくる始末だった。もちろん丁重にお断りしたが、しばらく取材を続けていると、着ぐるみを着た歌舞伎町系YouTuber・ゆきにゃんに遭遇。
ゆきにゃんに今の“トー横キッズ”と“立ちんぼ”事情について聞いてみた。
「キッズはスタメン化しつつあって、都内以外の栃木や茨城や埼玉から来た20名くらいの子が常時います。4月に2回一斉補導があったみたいですけど、毎回いつものメンバーが補導されているという感じ。
立ちんぼの子たちも赤ベストのお巡りが毎日巡回してるから、もはや移動しながら交渉してる感じで“歩きんぼ”(笑)。それか大久保病院前などにいると注意されるから、店の軒下で“座りんぼ”ですね」
暖かくなり、外に居座りやすくなってるのだろうか、一斉補導があろうとキッズも立ちんぼも相変わらずのようで、この現象の解決にはまだまだ問題が山積みである。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班