「JR姫路駅で1000円で食べられる」の意見も

実際、お味のほうはどうなのか。

約2時間待ちの末、ようやく店内で究極のえきそばを注文できた奈良県在住の70代男性に提供前に話を聞いた。

「マスコミに叩かれながらも大阪府知事が『ぜひ食べてほしい』と呼びかけていたので、せっかく万博に来たし、話題のメニューを食べてみようと思いました。たしかに高いけど、3850円もかければ、まあ悪いもんではないやろと思います」

だが、いざ実際にえきそばを食してみると、やや微妙な感想に…。

「うんうん、おいしいですね。でも牛肉もめちゃくちゃいい肉なんか、といわれたらなんか疑問に感じます。(調理してる人が)忙しいのか肉もカラカラなるまで焼いてしもてる感じで…、まあ200人以上も客が来るから調理の人も大変なんでしょう」

一方、千葉から来た30代の男性は、さらにシビアな意見。

「おいしいとは思いますけど、普通に街でこの価格で販売してたら買わないですね。そこは“万博価格”だと思っていただいてます。1700円ぐらいだったら次も食べたいな~って思いますけどね」

また雨の中、メニューを見ただけで「高すぎる…」と気落ちし、店に入るのを躊躇する来場客の姿もあった。

「私、地元が姫路なんですけど、こんなんJR姫路駅で1000円で食べられますよ? 『まねきのえきそば』といえば、姫路市民のソウルフードですから。インバウンド向けの価格なんやろけど、地元民からしたら、さすがに高すぎやんって感じちゃいます」(姫路出身、40代女性)

インバウンド価格も、姫路のご当地名物ソウルフードが食べられると思えば高くない!?
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たしかに、店内には外国人の来場客の姿も多く見受けられ、価格に驚く日本人とは対照的に、好意的な意見が多く聞かれた。アメリカ・ロサンゼルスからきた 40代男性は、初めて食べる味に舌鼓を打った。

「ニューヨークやロサンゼルスではこの価格は普通なので、大して驚きませんね。むしろ神戸牛をこんなたっぷりのせてもらえて、贅沢だし安いと感じるぐらいです。まさに想像を絶するおいしさ!」

万博会場で「ここでしか食べられないものを体験してほしい」という意味では、その価格や行列待ちも含めて2度と味わうことのできない食事になるはず。

いつかお値段以上の思い出になる日がくるだろうか…。

取材・文・撮影/集英社オンライン編集部