「地図拡大できない」「すぐログアウト」公式アプリに苦戦
完全キャッシュレスに事前予約制を導入した今回の大阪・関西万博。長時間待ちなどもあり、外国人の来場者からはこんな不満も聞かれた。
前出のルクセンブルク人の男性は「チケットもパビリオンも事前予約しなくてはいけないので、操作に手こずりました」
一方、前出のルクセンブルク在住歴のあるドイツ人のリアンさんは完全キャッシュレスに関しては抵抗がないらしい。
「ルクセンブルクではキャッシュレス化がすごく進んでて、むしろそっちの方がスタンダードなんです。逆に現金で支払うほうが抵抗あります」
家族4人で万博に訪れたオーストラリア人のモエシャさん(17)がいう。
「日本に訪れた際に万博が開幕していることを知り、今朝チケットを求めて会場に行きました。ただ人がたくさんいて当日チケットをどこで買えるのか迷ってしまい、誘導された場所も違っていて、時間をかなりロスしてしまいました」
それでも会場内に入ると、大屋根リングには圧倒されたらしく、「早く登りたいです」と足早に駆けていった。
さらに、ブラジルから訪れたマルセーロさん(46)は、
「1年前に日本に来た際、万博が大阪で開催されることを知って、今回再び来日しました。カナダ館や日本館など4つのパビリオンを巡りましたが、どれも素晴らしかったです」
と話しつつ、システム関連では不満を吐露。
「オフィシャルアプリの操作にとにかく苦戦してます。5分以内に入らないとサインアウトになってしまい、そのたびに毎回ログインしなくてはいけないのがとても使いづらいです。チケット購入も難しかったし、パビリオンの展示内容を見る操作も難しかった」
同じくブラジル人のヒカルドさん(54)も、アプリの不便さについて指摘する。
「会場に地図があまり置いてないので、アプリの地図を見ているんですが、拡大できずにわかりづらいんですよ…。行きたいパビリオンがたくさんあるので探すだけで一苦労です」
それでも海外パビリオンで販売されていた現地のケーキをおいしそうに頬張り万博グルメを堪能していたお二人。
多様な国籍の人たちとの交流も万博の魅力のひとつだが、訪れる外国人の中には完全キャッシュレスとなった自販機の購入の仕方が分からず、スタッフに助けを求める姿もあり、外国人への対応が今後求められていきそうだ。
取材・文・撮影/集英社オンライン編集部