「若い子と戦うのはしんどい」

――そうして出合ったビキニフィットネス。競技を始めて2年目の2017年は「オールジャパン」35歳以上163センチ超級で見事2位。翌年からは同大会のカテゴリー別で6連覇を達成中。若い選手とも戦うグラチャン(「オールジャパン グランドチャンピオンシップス」)でも昨年の自己最高3位を含め、毎年好成績をおさめています。

毎年、「来年は出場しない!」って思ってます(笑)。だって若い子と戦うのはしんどいですから……。

――やっぱりハンデは大きいですか?

もちろん。ビキニは筋肉だけじゃなく、皮膚感も美しくなくちゃいけない。減量後は皮が余っちゃいけないんですが、若い子は肌にハリがあるだけに有利ですよ。私の年齢だと絞りが甘いと全然キレイに見えません。

筋肉だって若い子のほうが分泌される成長ホルモンが多いからつきやすいですしね。

コンテスト初参戦はモデル体形が求められる「ベストボディ・ジャパン」だったが、「出場選手のくびれがとにかくカッコよくて、ステージではハイヒールを履いたり、女性らしい丸い胸でも競技ができる」という理由でビキニフィットネスへと転向
コンテスト初参戦はモデル体形が求められる「ベストボディ・ジャパン」だったが、「出場選手のくびれがとにかくカッコよくて、ステージではハイヒールを履いたり、女性らしい丸い胸でも競技ができる」という理由でビキニフィットネスへと転向

――年齢をカバーする方法は?

ビキニ競技の審査基準はファッションなどと一緒で、仕上げる肉体のトレンドが毎年変わるんです。その年のトレンドをつくると言われているのが5月に行なわれるヨーロッパ選手権なので、必ず中継を見て研究しています。

それと毎年、ビキニと親和性がありそうなトレーニングを新しく取り入れるようにしています。昨年はクラシックバレエのアスレティックトレーナーをつけましたし、今年は陸上競技を取り入れようと思っています。

――陸上……ですか。

昨今は股関節から四頭筋(太もも前部)までのラインをつくる縫工筋をビシッと仕上げるのがトレンドになっていて。縫工筋って機材でのトレーニングでは鍛えるのが難しく、私の足りない部分でもあります。

縫工筋が発達している世界のトップビキニ選手は陸上出身の方が多いので、実際に走ったり、走るまでの準備を学べばビキニ競技に活かせるんじゃないかと。

自信のある部位は背中
自信のある部位は背中

――ストイックですね。

この年齢で世界で戦おうと思ったらストレッチやトレーニング、ポージング練習だけじゃ全然足りませんからね。