新しい職場で仕事のやりがいを知り……
またその間、知り合いのレンコン農家を週6で手伝って収入も得ていたという。収穫したレンコンを作業場に運び、カットして洗って袋詰めして、スーパーや道の駅に卸すという作業だ。
さらに2023年3月ごろからは、YouTubeで動画投稿も開始。「昔からゲームが好きだったので、ゲーム実況をやり始めました」というもんてん。さん。動画投稿を始めて以降は、仕事以外の時間はほぼ、動画制作に費やしているという。
大学で建築を学んでいたこともあり、選んだゲームは『マインクラフト』。一つ一つの動画制作に時間がかかるため、投稿本数はそれほど多くはないが、ここで副収入が得られるように頑張り続けているそうだ。
「2024年4月には1年契約を結び、2025年4月からも契約を更新して勤務を続けています。仕事内容は若干変わり、報告書作りの作業も任されるようになりました。業務上の交友関係なんかも広がってきましたね」
新しい地で新たなキャリアをスタートさせ、自分の居場所を作ることができたもんてん。さん。だが今でも、辞めた当時のことをふと考えてしまうという。
「『辞めなければどうなっていただろう』『自分の心が健康なら辞めずに済んだんじゃないか』と、この三年間はよく考えていました。今は非正規ながらも働き続けることで、会社から信頼され、相談を受けたり、仕事を任されたりすることが増えました。
もしかしたら新卒で入った会社でも、こうしたやりがいは感じることができたんじゃないかと、少し後悔もします。ただそうは思っても、3年前のあの日に戻って、もう一度あの会社で働きたいかと聞かれたら、絶対に働きたくないと強く感じてしまいます。
正直なところ、当時の自分が冷静な判断ができていたかは怪しいのですが、22歳の僕が違和感を覚え、『いやだ、働きたくない』と思ってこの選択をしたのですから、きっとこの選択は間違いではなかったと信じています」
新たなスタートを切る勇気を持つことは、決して簡単なことではない。だが、たとえどんな決断をしても、その先に新しい可能性は広がっているものだ。自分が安心して生活できる場所が見つかるまであきらめないでほしい。
取材・文/ライター神山