第三者委は「経営判断の体をなしていない」と非難

調査報告書によると、中居氏はタレントとして高視聴率をとれる立場を利用し、密室での食事を断れない状況にAさんを追い込み、2023年6月2日に自宅マンションで性暴力を加えたとある。

「当時の港浩一社長(1月に辞任)や大多亮専務(現関西テレビ社長)らはAさんが性暴力被害を訴えたのに“プライベートな男女間のトラブル”と決めつけ、Aさんが復帰するまで何もしないという方針を決めたんです。

これで中居氏の番組出演が続けられただけでなく、B編成部長(現人事部付)は中居氏のパシりとして“見舞金”と称する現金100万円をAさんが入院中の病院に届けたり、バラエティ部門のリーガルアドバイザーだった弁護士を中居氏に紹介したりしたと報告書は指摘しています」(フジ関係者)

フジテレビ
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こうした対応を第三者委は「経営判断の体をなしていない」と非難し、原因分析に踏み込んだ。それによると、フジでは取引先と良好な関係を築くために「性別・年齢・容姿などに着目して呼ばれる会合」が開かれ、ここに呼ばれた社員やアナウンサーらがハラスメント被害にさらされてきたという。

重大なのはこの悪習が編成制作局の「業務」だったと断定されたことだ。同局の幹部が若い女性アナウンサーや女性社員をハラスメントのリスクにさらしながら有力出演者と良好な関係を築いて“キャスティング力”を高める企業活動だったと第三者委は解説。

さらには「港社長ら編成制作局の幹部(出身者)」が率先してこのような業務を推進していた、と言い切っている。

第三者委員会の調査報告会見
第三者委員会の調査報告会見

「Aさんが被害に遭う2日前に、B氏やAさんも参加するバーベキューが中居氏のマンションで開かれています。2021年12月には都内ホテルのスイートルームで中居氏やB氏、別の女性アナウンサーらが参加する飲み会があったことも確認されました」(フジ関係者)

報告書はフジ社内ではハラスメントの問題があった人物が役員に昇格するなど、ハラスメントが蔓延、放置されてきたと指摘。「社内にハラスメントに寛容な土壌があり、地続きで取引先からのセクハラ被害がある」と第三者委の竹内朗委員長は3月31日の記者会見で話した。