ラブラブティータイムのために必要な「一日一褒め」
——自身の思いやりのない言動に気づいたときの対策は?
あや 気づいたらすぐに謝りますし、日々のマイナスな言動を挽回するような意識で「一日一褒め」を意識するようになりました。名付けて、プラマイゼロ作戦です(笑)。
翼 そうだね、僕も「前よりも良くなったね」「今日洋服いいじゃん」など、言葉で伝えるようになりました。
あや 交際当初は、なかなか言葉にしてくれなかったんですが、「言葉にしてくれないと伝わらない」と訴えてから、少しずつ言ってくれるようになりました。
行動も大切ですが、ADHDやASD特性を持つ方は、定型発達の方よりも言語化しないと伝わりづらいところがあるように感じています。
——日を重ねるごとに、お互いが心地よく暮らせる意識を持っていらっしゃるのですね。
あや 私が知らない私の特性や性格を、ツバちゃんが指摘してくれることもあり「そんなことない」と最初は思うんですが、よくよく考えると「そうだな」と感じることもあります。
自分の特性を知り、向き合うことで困りごとや相手へ迷惑をかける場面は減ると思うので、日々、自分のことを勉強しているつもりです。
今後も日々のラブラブティータイム(翼さんの入れた抹茶を飲みながら甘味を楽しむ)を大切に、気持ちをぶつけ合いながら、仲良くやっていきたいです。
——あやさんには成人された娘さんもいますが、「似ている」と感じることはありますか?
あや あくまで私個人の感想としてですが、似ていると感じることがありますね。今年22歳になりますが、小学校の高学年の頃に「学習障がいです」と言われました。読み書きが苦手で、今も自分の名前を漢字で書けるか怪しいほどです。
リハビリで通院もしましたが、一向によくならず、本人も行くことを嫌がりはじめたので次第に行かなくなり…勉強についていけないことで中学1年生の後半から不登校気味になってしまいました。
娘の人生なので詳細は伏せますが、それでも今は好きなことが見つかって、人間関係も良好ですし楽しそうに生きているのでホッとしています。
翼 娘は数字が嫌いで、また偏差値や成績として査定されるのがイヤなだけで、人間力は高い子なんです。血縁はないですが、ほとんど毎日LINEをしていて恋愛相談にも乗っています。
あや 私には話しづらいことも、ツバちゃんには話せるようで頼りにしています。イヤなことを無理矢理やらせ続けるよりも、好きなことや夢中になれることを見つけてそこを伸ばしてあげることが大切だと思っています。
〈後編へつづく『「簡単なことでも2つ同時にできません」発達障がいを抱える“ぷちあや”が3度目の結婚でたどりついた幸せな夫婦の形』〉
取材・文/山田千穂 集英社オンライン編集部ニュース班 撮影/村上庄吾