共感性が低いことがいい方向になることも
——何か夢中で作業していると、いつの間にか時間が経過していることもよくありますか?
翼 あやは、仕事でパソコンに向かっていたり、集中していると人の話が入ってこないようなのでそういうときは話しかけません。
本当は「もう〇時だよ?」とか「お風呂入ったら?」と思うのですが、一度ジャブで声をかけて何も言わないか、軽めの「うん」だけだったら乗り気ではないということで放っておきます。僕もそういうところはあるので…。
あや それは、意識してくれていると感じます。集中を途切れさせたくないので「後にして」と思いますし、過剰に集中すると周りの声が聞こえなくなるんです。
——そんな状況に対し、お互いにイライラすることは?
翼 正直、あやは自己中心的だなと感じることはあります。でもお互いさまですよね。気にし始めたらキリがないので、一緒に生活するうえで気にしすぎないようにしています。
あや 私はそんなにありませんが、相手がイライラしていることはよくあります(笑)。でも私は、ASDの特徴がいい方向に働いてくれて共感性が低いので「この人のイライラは自分の問題ではない」「自分が原因じゃないし放っておこう」と思えるのであまり気にならないです(笑)。
ツバちゃんは寝起きと空腹時はイライラしやすいのでお腹空いていそうだな、と感じたらできるだけ早く近くの飲食店で食事をします。
——相手を「なだめよう」と思わずに切り離せるのは、すごいですね!
あや ちょっと冷たい感じがしますよね。きつい言い方をしてしまうことも多いので「そんなつもりで言ったんじゃない」という誤解から、ツバちゃんと交際当初は毎日ケンカをしていました。
私は思いやりがないんです。よく覚えているのが、前に結婚していた方は後半、主夫のような形で自宅のことをやってくれていました。
深夜に帰宅した私は、浴室乾燥で乾いた洗濯物を畳んでいる元夫の前を素通りし、お風呂に入りました。出ると「俺が入ろうとしていた」と言われ、「そうだったのか!」と。
私の中では、役割分担として元夫は自宅のことをやる人、自分は外で働く人という意識が強く「関係ない」と思っていたのですが、一言「お風呂入るね」「洗濯ありがとうね」くらいの思いやりが私にあったら違ったのかなとも思います。