フジテレビ復活のカギを握るのはタモリ?
「『トリビアの泉』(2002年~2006年までレギュラー放送)です。いまだに雑誌などで『復活してほしいテレビ番組』アンケートを取ると、ほぼトップ3に食い込んでくるほど人気が根強い。このタイミングで復活すれば話題性は抜群ですし、多くの視聴者がフジを見直すきっかけにもなるでしょう。
ただし、制作費の高さも打ち切りの要因のひとつといわれていたため、同番組を瀕死のフジで復活できるのか? との疑問もありますが、いまはお金をかけてきちんと一つのコンテンツを作るべきというフェーズにテレビ界全体が変わっていますからね」
視聴率低下でCMによる広告収入がガクンと落ちたテレビ局だが、ここ数年はバラエティーよりも制作費が高いドラマを量産している。
その理由は、ドラマのほうが動画配信での再生回数がバラエティーよりも圧倒的に高く、さらに動画配信サービス『FOD』など自社コンテンツの有料動画配信サービスの会員増加に繋がるからだ。
「今回スポンサーが離れたことでフジテレビは、番組に対して直接視聴者にお金を払ってもらえるシステムへの早期移行を視野に入れたでしょう。『トリビアの泉』はドラマではありませんが、動画配信サービスで無類の強さを誇ることは確実視されています。さらに、うまくいけば海外にも番組を売ることができる可能性があると思います。
実は『トリビアの泉』は、もともと海外でも放送されていたほど世界にも通用するフォーマット。復活した際は、より海外向けを意識することでしょう。もし海外で売ることができれば、製作費なんて微々たるものです」
『トリビアの泉』は放送当時、タモリ、八嶋智人、高橋克実らがレギュラー出演。彼らがそろって再登板することはあるのだろうか。
「また、フジ内では『笑っていいとも!』の復活を望む声もあるといいます。『トリビアの泉』も『いいとも!』も現在、テレビ制作の第一線で活躍する現役バリバリ世代が見ていた番組で、復活となれば彼らも相当な力を入れてくれると思いますからね。
そうなると、フジ復活のカギは“タモリさん”ということに。現在79歳のタモリさんにどれだけ任せるのか、若返りとは矛盾もしそうですし、実現度は低そうですが、タモリさんのような柔軟な思考を持つ熟練者が、今の若手と組んだときの化学反応はぜったいに面白いはずです」
大きな変革期を迎えているフジテレビ。テレビ界全体が、次の一手に注目しているだろう。
取材・文/集英社オンライン編集部