【考え直したい留学①】語学を目的とする留学

最近はお子さんを海外留学させる方も増えてきました。

しかし私は中途半端な留学は本人のためにもよくないと思います。

とくに語学のための長期留学はしないほうがいいと思います。

留学するなら、「なぜ英語を勉強するのか」「英語を身につけて何をしたいのか」という理由が必要だと思います。

私が中学生の頃、アメリカ留学から帰ってきた従兄が、アメリカ人の友人をよく拙宅に連れてきていました。私は勉強したばかりの英語をつなぎながら、彼と話をするのが、すごく楽しみでした。

高校生になって通った英会話教室でも、学べば学ぶほど「もっと学びたい」という欲が出て、自分もアメリカに留学して英語を学びたいと思うようになっていました。

しかし、きちんとした意志を固める以前に担任にその意向を伝えたところ、怖い教師数名から職員室に呼び出されました。そして、何のためにアメリカ留学を考えているのかと詰問されたのです。

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「英語を学ぶのは日本にいてもできるでしょう。なぜわざわざアメリカまで行くのですか?」

「日本で勉強しても、英語の発音はよくならないし、スムーズに話の内容がキャッチできるように、もっと勉強したいのです」

すると教師は「そんなことのためにわざわざアメリカまで行くのですか? ばかばかしいからおやめなさい」「アメリカ文学や英語自体の研究ならまだしも、話すためだけに海外で学んでも、現地の人のようにはなれません」「英語をもっと学びたい、それは大した目的ではないでしょう」と総攻撃を受けてしまいました。

そのときは、がっかりしましたが、今考えれば、その通りだと思います。中途半端に留学して英語を学んでもネイティブにはなれませんし、のちに私が働くことになる外資系の航空会社に採用されることもなかったでしょう。

本格的に留学するなら、語学以外の理由を持って臨むべきです。

私の周りには大学修了後、イタリア、スペイン、フランス、他に留学し、成功なさっている方がたくさんいらっしゃいます。たとえば、イタリアに留学した方は、英語は得意ではなかったけれど建築を学びたいという希望があり、他の方とは違う趣のイタリアンスタイルの勉強をし、現在は立派な建築家として活躍しています。