「軽スポーツカー時代の巻」(ジャンプ・コミックス192巻収録)
4月5日は「オープンカーの日」。そこで今回は、両さんにむりやり小型オープン2シーター車、ケータハム・7(セブン)を買わされる凄苦残念(すごく・ざんねん)のお話をお届けしよう。
小さなスポーツカー「7」については作中でたっぷりと語られているので、ここでは7を輩出したイギリスの車事情を少し紹介しておこう。
現在、イギリスの自動車メーカー、ブランドのほとんどは外資に取得されており、残る国内資本のメーカーはマクラーレン、ケータハム、モーガンといったごく小規模なところのみ。
だがかつてはロールス・ロイス社が、アメリカ車ともイタリアやフランスといった欧州大陸の諸メーカーとも異なる、優雅で豪華な高級車路線を確立。20世紀半ばからは、オースチンのMINIに代表されるような小型乗用車市場の開拓にも積極的だった。
また、イギリス人は大のモーターレース好きであり、車の部品を交換したりチューンしたりして高性能化させ、ときには自分で車を組み上げてしまう「バックヤード(裏庭)ビルダー」文化が根づいていた。
「MINI」のレース仕様車である「MINIクーパー」を生み出したジョン・クーパーや、本作の主役「7」のオリジナル・メーカーである「ロータス」を立ち上げたコーリン・チャップマンも、バックヤードビルダーの出身なのだ。
そんなイギリスの車文化を現代にまで継承する「7」は、鋼管を組んだシャーシに申し訳程度のボディとシンプルに徹した駆動系を載せており、実用性も快適装備も皆無。EVと自動操縦を売りにした「テスラ」のような、現代の車の在り方を象徴する品とは対極的な存在だ。
だが、自動車を駆る楽しさの原点を教えてくれる、貴重な車種でもある。ぜひこれからも細く長く生き長らえていって欲しい。
それでは次のページから、小型軽量なスポーツカーをめぐる騒動をお楽しみください!!