「『猫の日』の盛り上がりが社会的に大きくなってきている」
前述したサッポロ一番のXは、今年から猫の日投稿を始めたばかりだ。販売元のサンヨー食品・広報宣伝部に問い合わせると、始めた理由は「X 上では『#○○の日』投稿が盛り上がっていることを聞いたり、実際にXで目にしたりしていたので、今回チャレンジしてみました」とのことだった。
気になる反響については、なんと「これまでにはない手応えを感じています」とのことで、猫ネタがSNSユーザーに大ウケしていることがわかる。
続いて質問したのは、チョコレート菓子でおなじみの株式会社 明治。同社Xは猫の日にあたり、「※フィクションです」としながら、看板商品の「アポロ」「きのこの山」「たけのこの里」に耳や尻尾が生えた架空商品を公開。商品名も「にゃポロ」「きのこのにゃま」「たけのこのにゃと」と猫風にしたところ、4.6万もの「いいね」を獲得した。
明治の広報担当者によると、猫の日投稿は「2023年から実施し、今回で3回目となります」とのことで、実施理由については、「みなさんにほっこりしていただきたい想いで」と答えている。
一方で、「近年、X上でも猫の日が毎年盛り上がっていることから、明治アカウントでも波に乗ろうと挑戦しました」「『猫の日』の盛り上がりが社会的に大きくなってきていると感じています」など、やはり流行を意識している旨も説明してくれた。
アカウントが猫に乗っ取られたという投稿をしたプッチンプリンの販売元・江崎グリコも「初めて猫の日投稿をしたのは2021年ですが、継続的に毎年投稿をしているのは2023年からとなります。世の中の猫人気を受けて投稿を毎年恒例としました」と回答。

どうやら、ここ数年のSNSで、猫の日がブームになっていることは間違いないようだ。一方で、他社に先駆けて猫の日に取り組んでいた企業は、この現象をどう捉えているのだろう。
“猫の日の老舗”といわれている宅配ピザ大手・ピザハットにも質問をしてみた。
同社はブームになる前から「猫の日」の企画を実施しているのだが、広報担当によると、始めたのは10年以上も前。2014年、店名にかけた「ピザキャット」というキャンペーンを開催し、2017年以降は毎年行なっているという。
特筆すべきはその本気度。なんと、ピザハットは猫の日キャンペーンとして、キャットフードのプレゼント企画なども行なっているのだ。
猫にちなんだ投稿をするだけの企業も多いなか、ひときわ異彩を放っているピザハット。なぜこんなにも力を入れているのかたずねたところ、担当者は「猫ちゃんもご家庭の家族の一員ですので、こういった取り組みがブランドへの好感・共感を生み、第一想起につながればと考えております」と説明してくれた。