一番読解力がないのはSNSでたたいている人たち?

時代が変わったとはいえ、国語の教育の仕方は今も昔も大きくは変わっていないようだ。

ただ一方で、先生の赤字コメントについては、「コンプラやハラスメントがうるさい時代なので、今の教師はこんな否定的なコメントは残さないと思います」とのことだ。

投稿者のいかさんに聞くと、このノートは25年ほど前のものであった。ただ、先生とは確かな信頼関係があったうえでのやりとりだったとも明かす。

「当時、私はやんちゃな小学生で、授業もいい加減だし宿題も忘れてばかりでした。これも元々は宿題をまとめて消化したやつなのですが、たぶん途中で飽きてふざけたのを見透かされたのかなあと思います。

『ちゃんとやればできる子なんだから、真面目にやりなさい』的なニュアンスもあった気がします」(いかそーめんさん)

いかさんは「あのときは先生、ごめんなさい」と語りながら、先生との思い出も話す。赤ペンでコメントをくれたのは、自分の母親よりも年上くらいの女性の先生。不真面目ないかさんのことを強く怒ることはせず、いつも穏やかに接していてくれていたという。

また、そのころ、いかさんの母親が妊娠していたのだが、お腹が大きくなっていく様子を先生に話したところ、「○○くんもお兄さんになるんだねえ」と親身になって聞いてくれていたことが印象に残っているそうだ。

先生と生徒の間にあった絆
先生と生徒の間にあった絆
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SNS上では先生に対して批判の声が寄せられていたが、いかさんと先生との関係性を聞くと、イメージがガラッと変わる。また、いかさんは当時、国語が大好きだったとも語っている。

今回の投稿だけを見て、一方的に先生を叩いていた人こそ、読解力が足りていないのかもしれない。

取材・文/集英社オンライン編集部