ボディビルは「若返りの泉」
先に述べたように、老化の主な症状のひとつに、筋肉量の減少がある。しかし、最近の研究では、必ずしも筋肉はこれまで信じられていたほど加齢とともに萎縮していくわけではないことが明らかになっている。
実際、筋肉量は、高齢者であっても適切なトレーニングによって驚くほど増加させることができる。
つまり、最近の科学的研究は、ボディビルが「若返りの泉」になりうることを示しているのだ。
もちろん、ボディビルを始めるにあたっては、年をとればとるほど注意が必要になってくる。60代や70代の人がボディビルを始める場合、「医師に相談すること」というのは単なる形式的な注意書きではない。
医師に相談し、よいトレーナーを見つけ、あらゆる予防措置をとっておくことが重要だ。
正しいテクニックを学び、ゆっくりとトレーニングに取り組むこと。年をとるとケガが治るのに時間がかかるので、問題が起きないようにできる限りの準備をしておこう。
しかし、その結果には目を見張るものがある。以前のような筋力がつき、体が若々しくなる。活力や運動能力がアップし、生活の質が向上する。自信がつき、他人に頼らずとも生活できるという自信も生まれる。
私たちが老化の必然だと考えていることの多くは、実際には、使わずに放っておいたという印にすぎないのだ。
必ずしも年をとるにつれて筋肉や骨の量が減るとは限らない。今ある量を維持することも、さらには増やすことさえできる。
文/アーノルド・シュワルツェネッガー