歳をとってからボディビルを始めるメリットとは?
「ボディビルを始めるには年をとりすぎているでしょうか?」とよく聞かれる。「もう年なんだから、やらないわけにはいかないだろう!」というのが私の答えだ。
年をとるにつれて、筋肉はどんどん萎縮していく。それに対する理想的な治療法がボディビルなのだ。
しかし競技となると、始めるのがあまりに遅いと明らかに不利だ。
確かに、かなり遅くに始めてトップボディビルダーになった人もいる。たとえば、私の現役時代に活躍したポージングの名手、エド・コーニーがそうだ。
しかし一般的に、ミスターユニバースやプロチャンピオンになれる可能性は、スタートが遅ければ遅いほど少なくなる。
とはいえ、ボディビルで始めるのが遅いというのは、他のスポーツとは少し事情が違う。多くのチャンピオンは20代前半になってからトレーニングを始め、その後10年以内にアマやプロのチャンピオンになっている。
しかし、遅咲きで成功した選手の多くは、すでに別のスポーツで優れたアスリートであり、単にボディビルに転向してきただけだ。
彼らの体は、長年にわたるスポーツトレーニングによってあらかじめ鍛えられていたのだ。世界アマチュアチャンピオンのロニー・コールマンがその好例だ(彼は大学でアメフトをしていた)。
また、フランコ・コロンブはボクサーとしてスタートし、その後パワーリフターとなったが、ボディビルダーに転向したのは20代に入ってからである。
ボディビルは比較的遅くから始められるだけでなく、ほとんどのスポーツより高齢まで競技を続けられる(ゴルフには負けるが)。
もちろん、40代のボディビルダーは数年前なら可能だった肉体を手に入れることはできない。筋肉は劣化し、ホルモンは徐々に変化していく。また筋萎縮も生じる。
さらに、年配のボディビルダーはたいてい、ボディビルを始めたばかりの若者よりも、生活上の雑事が多い。責任(家庭、子ども、仕事など)をいろいろと抱えているので、トレーニングやダイエットに100%没頭するのは至難の業だ。
今では40代・50代以上のボディビルダーを対象としたマスターズ大会も数多く開かれるようになった。元トッププロたちもアーノルドクラシックのマスターズ部門やマスターズオリンピアでタイトルを競い合っている。
それにしても、かつてのチャンピオンの多くが、いまだにたくましい筋肉質な肉体を保っているのには驚かされる。