指定野菜に選ばれるとどうなる?

そもそも「指定野菜」や「特定野菜」とは何か? 管理栄養士の松田真紀さんはこう説明する。

「農林水産省は日本国内で消費量の多いキャベツ、大根、トマト、茄子、ねぎ、たまねぎなど14品目の野菜を国民生活にとって重要な『指定野菜』に位置づけています。『特定野菜』は『指定野菜』に準ずる重要性のある野菜で、他にかぼちゃやれんこんなど34品目が指定されています」

〈筋トレ女子たちも歓喜〉50年ぶり、ブロッコリー“指定野菜”入り!「10年で出荷量が30%増」「店頭価格が安くなる可能性も」ボディメイクで重宝される理由は?_1
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14種の「指定野菜」たちはいずれも需要が多く、食卓に欠かせないラインナップだが、ここに加わることになったブロッコリーは、いったいいつ日本にやってきたのだろうか。

「ブロッコリーの原産地は地中海沿岸。イタリアで改良されて発達し、日本には明治時代初期にやってきました。当初は観賞用の野菜だったので食用としては長らく普及しませんでしたが、戦後、本格的に栽培が始まり消費が拡大。昭和50年代には健康的な食生活に関心が集まり、22年産のブロッコリーはその10年前より出荷量が3割近く増えたことから『指定野菜』に加わることになったようです」(同)

「特定野菜」から「指定野菜」への追加は1974年のジャガイモ以来、50年ぶり。このニュースを受けて、まず喜んだのはブロッコリー農家だ。『日本一バズる農家の健康ブロッコリーレシピ』(KADOKAWA)を上梓した石川県の農業法人、有限安井ファームの広報担当者も喜びを隠さない。

『日本一バズる農家の健康ブロッコリーレシピ』(KADOKAWA)
『日本一バズる農家の健康ブロッコリーレシピ』(KADOKAWA)

「野菜の収穫は天候に左右されがちで、生産量が多すぎると価格が著しく低くなってしまうのですが、指定野菜に選ばれたことで国からの補助が増えるから生産者は安心して栽培ができるし、ブロッコリーの安定供給にもつながります。

競合農家の増加による供給過多でも同じく補助してもらえるし、消費者目線でいえば競合が増えて出荷が集中すれば、店頭での価格が安くなることも考えられます」