「艶歌(エンカ)ロイドの巻」(ジャンプ・コミックス190巻収録)
今回は、両さんの声を使ったボーカロイドがアジア圏で大々的にバズり、それにイッチョ噛みして大儲けを目論む本家・両さんが奮闘するお話をお届けする。
本作で描かれている「エンカロイド」とは、PCやネットを一切介さない、熟年層を対象としたボカロ活動を指す。「ボカロP(ピー)の巻」(ジャンプ・コミックス186巻収録)で初登場してるので、よければこちらも読んでみて欲しい。
ボカロ……ボーカロイドは、2003年に発売された歌声合成ソフト「ボーカロイドエディターソフト」と、「ボイスバンク」と呼ばれる歌声ライブラリーの総称だ。
2007年にライブラリーに「初音ミク」が加わったのを機に大ブレイク。その後は、同ソフトと音声を使った「ボカロ曲」がネットを媒介に誕生・普及し、ボカロクリエーターや「歌ってみた」などのカバー文化をも生み出した。
そして近年は、米津玄師、YOASOBI、Ado……といったボカロ音楽圏から登場したクリエーターやアーティストが、日本の音楽チャートを賑わせている。
『こち亀』作者の秋本治先生はボカロに強い関心を持ち、ボカロを題材にしたお話を何本も描いている。前述の「ボカロPの巻」を描いた2012年には、イベント「ミクの日 大感謝祭」を訪れており、ミクを囲む両さん、中川、麗子を描いた色紙を、初音ミクのメーカー、クリプトン・フューチャー・メディアに贈呈している。
誕生から20数年を経てすっかり世間に浸透したボカロ文化、次はどのような展開を見せるのだろうか。
それでは次のページから、両さん声のボカロがアジアを席巻するお話をお楽しみください!!