NHKが示した毅然とした態度
「たとえば今年の正月に放送されたNHK大河ドラマ『べらぼう』の第1話には、女性のお尻が写り込むシーンがありました。あれは放送すれば何らかの反響が起きることが容易に想像できるシーンでした。実際ネット上では『大河でお尻なんてありえない』という批判も散見されたのですが、それらに対しNHKは謝罪しませんでした。
おそらく『自分たちの表現手法は筋の通ったものだ』という自信があったのでしょう。事前に対処方針(相手にしない)を決め、それを守ることを優先したのだと思われます。こういった姿勢は評価されてよいのでは、と感じます」
2月19日現在、東洋水産は炎上に対する声明などは出しておらず、CMを削除するといった対応などは一切行なっていない。
しかし、炎上は企業を超えてついに個人のクリエイターに飛び火し、SNSでは今回のアニメを制作したクリエイターのアカウントに対してまで批判コメントが書き込まれている
性的かどうかを議論することはともかく、個人を批判することはお門違いだ。
取材・文/集英社オンライン編集部
小木曽健●情報リテラシー専門家。国際大学グローコム客員研究員。複数のITベンチャー勤務を経て現職。書籍や講演、メディア出演などを通じて「ネットで絶対に失敗しない方法」やネットリテラシーに関する情報発信を幅広くおこなっている。