京都から来てくれた男性客を追って……
全国No.1風俗嬢・まりてんさんの1日に密着取材も、後半戦を迎えようとしていた。17時にお客さんが待つ歌舞伎町のラブホテルに入っていった、まりてんさん。終了時刻の19時半にラブホテルの前で待っていると、お客さんと2人でホテルから出てきた。
プレイを終えたばかりのお客さんにインタビュー依頼をすると、新宿駅まで歩きながらという条件付きで快諾してくれた。今から新幹線で京都に帰らなければならないということだった。
インタビューを快諾してくれたのは、京都で教育関係の仕事に就いているKさん(40代)だ。
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──まりてんさんのことは、いつ知ったんですか?
K(以下同) 2年くらい前に、YouTubeで知りました。
──まりてんさんのどこを魅力に思いますか?
まりてんさん、仕事にすごくストイックでしょう? そういうところ、すごく尊敬しますわぁ。あと、一緒にいて楽しいね。エッチなことはおまけみたいなもんで、コミュニケーション目的で会いに来てます。
──今日は2人でどんな話をしましたか?
お互いの人生の話をしてました。僕は昔、ちょっと無理しながら仕事をして大きな病気になって、長期的に仕事を休業したことがあったんです。まりてんさんも風俗店の店長やってるときに病んで精神科病棟に入った経験があって。僕なんかよりもっと辛いことだったと思うんやけど、そうした経験を共感しながら話しました。
あとは、バカな笑い話とかして。まりてんさん笑ってくれて。
──笑い話とは、どんな話でしょうか?
新幹線に乗る前に京都駅のキオスクでご飯買ったんやけど。支払いのQRコードの位置がわからんくて。「どこですか?」ってレジのおばちゃんに聞いたら「ここやぁっ!」言われて。「そんな怒らんといてやぁ」て言うたら、「怒ってないわぁっ!」て怒鳴られて。「もう最近は支払いがややこしくてようわからんなぁ」って盛り上がった話をしました(笑)。
── (笑)。 ちなみに、そういった人生の話や笑い話はプレイの前にするんですか?
後ですね。
──つまり、今のは全部ピロートークでの話だったんですね。
そやね。
──まりてんさんに会うためだけに京都から来るなんて、すごい行動力ですね。
さっきも話したけど、僕は1回大きな病気を経験してて。それからはもう、いつ死んでもいいと思いながら生きてるんですわ。だから、遠くにいても会いたい人には会いに行くって決めとるんです。
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教育関係の仕事柄か、Kさんは突然の取材者の私に対しても別れ際に深くお辞儀をしてくれた。新宿駅前の雑踏の中に消えてゆく、そんなKさんの背中を見送った。