「最近は“誉め殺し”記事のムーブがきています」

こたつ系ニュースサイトで主にゴシップ系記事を4年ほど量産しまくってきた30代男性ライター氏は言う。

写真はイメージです(PhotoACより)
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「こたつライターが狙うのはPV(ページビュー)一択です。それには多少の独自性が必要で、他社がスクープした芸能人の熱愛記事の恋愛事情そのものに乗っかって作るのではなく、その際に芸能人が着用しているブランド品、あるいはファッションそのものに着目し、『〇〇の私服がダサい』『〇〇のすっぴんがヤバい』などと方向性を変えて書きます。そうすることで“独自のこたつ記事”が作成できます」

他社のスクープに別の方向からツッコミを入れる形は、ひとつのフォーマットになったという。

「でも、我々もやりすぎた点はあります。ツッコミを入れる方向性を変えたら、整形疑惑や顔面の劣化など容姿について書いた記事で数字が取れる時代に突入してしまったのです。でも、それも昨今のルッキズム批判の流れに則り『さすがに容姿をけなす記事はやめよう』という編集部内で規定ができました」

規定が作られた後、こたつライターたちはどうしたか?

写真はイメージです(PhotoACより)
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「最近は逆に貶すのではなく“誉め殺し”のムーブがきています。たとえば国民的なイケメンパパの奥様タレントや、顔がまったく老化することのない歌姫などがInstagramを更新するたびに、『スタイル良すぎ』『若すぎる』『料理がおいしそう』という記事を作りまくりました。でもコメント欄では『どこがだよ』『まずそうな料理』などとさんざん言われて燃えるのです。我々は、そのように荒れるだろうと見越して作っています」