お互いにファン同士 相思相愛のスーパータッグ結成!

 ――ONE×設楽清人のタッグはどのように実現したのでしょうか?

ONE 知り合う前から設楽さんは個人的に好きな作家さんで、連載もチェックしていましたし単行本も持っていました。そして今回、偶然なんですけど僕の担当編集の大熊さんが設楽さんも担当することになって、増刊号の企画で設楽さんに作画をお願いできる可能性が浮上したので、もしよければ……とお願いしたんです。

――始まる前から実は“相思相愛”の関係だったんですね! ONE先生は『バグエゴ』の話作りにおいて設楽先生の作風やこだわりなどから影響を受けることもありますか?

ONE それはありますね。まず読み切りを作る際、スケジュールにあまり余裕がなかったので、打ち合わせでかなり話し合い、元々のプロットを軸に、設楽さんと作品担当の大熊さんと相談し直して三人で土台の固め直しをしました。

最初に僕はバグに焦点を当てて、ちょっと怖い、どこか不気味な物語というところまでしかなくて、もしかしたらキャラクターは使い捨てのような感じになりかねないな、とも考えていたんです。

でも設楽さんには“友情”とか、そういったものにフィーチャーしたいという気持ちがあることが分かって、確かにバグ自体が無機質な存在なので、人の体温を感じられるようなキャラクターの優しさや、そのときに起きる感情も描いた方が対比が強まるなと思い、意識するようになりました。

――確かに『バグエゴ』は「ウラワザ」を通して繋がった男子高校生コンビ・羊谷&黒堂の友情物語という面もありますね。設楽先生は二人の主人公をどんな感情で描いていますか?

設楽 いつも黒堂にワクワクしています。彼は羊谷を振り向かせたいがためにウラワザを使うんですけど、でもウラワザって危険なものなんですよね。それを分かっていながらも、黒堂には他に友達を作る方法がなかった……というところにゾクッとくるものがあります。

第3話で二人が一緒にゲームをするシーンがあるんですけど、それがすごいお気に入りです。多分これが本来、黒堂のやりたかったことなのかな、と。でも彼はずっと自分に自信がないから、なんとなく楽しめていないような気がするんです。そんな黒堂のキャラとしての成長みたいなものを、ONEさんがどう作っていくのかなというのが楽しみです。

設楽先生のお気に入り! 黒堂と羊谷がテレビゲームをするシーン
設楽先生のお気に入り! 黒堂と羊谷がテレビゲームをするシーン