孤独死の現場で改めて気づいたこと 

鈴木さん自身も、孤独死現場の清掃をしていて、一人暮らしの自分の家と同じ環境だと思うことが多々あるという。

「僕も昔はワンルームの部屋に住んでいたんですが、ベッドの上だけで生活をしていたんです。ダブルベッドを購入して家に帰ったらそのまま寝っ転がれるような。いわゆる効率厨みたいな感じでした。

そうなると自然と部屋も散らかってくるんですよね。でも誰を家に呼ぶわけじゃないし、まあいいかってどんどん甘えてしまい、どんどんだらしなくなっていく。きっとこの生活の延長線上に孤独死もあるんだなと思いました。

他人との交流や自分を律することがいかに大事か、孤独死の現場が教えてくれました」

高齢化、無縁化社会の訪れにより、これから増加することが予想される孤独死。そんな孤独死の際に部屋がすさんでいることを予防できるのだろうか。
自分の部屋を見つめ直すことが、まずその第一歩かもしれない。

足の踏み場がない孤独死の現場(鈴木亮太さん提供写真)
足の踏み場がない孤独死の現場(鈴木亮太さん提供写真)
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取材・文/山崎尚哉