「きっぱり断る」が現実的には厳しい

「契約上の義務ではないので代替要員を探しません」と企業側に伝えるのが、法的には正しい対応とのことだが、現実的にはそのような伝え方をすれば雇用主との関係が悪化し、シフトを減らされたり、最悪の場合は解雇されたりするリスクが伴う。

では、現実的にどのように対処すればいいのだろうか。

「現状、従業員側は雇用主からの圧力を受けやすい立場に置かれています。一人で抗議しても、根本的な解決にはつながりにくいのが実情です。

労働組合を結成して企業側に交渉するのが法制度上の基本的な解決策ですが、これも現実にはハードルが高い場合が多い。

そのため、日常的にバイトスタッフ同士で助け合えるネットワークを築いておくことが、予防策として非常に重要だといえます。

日本で働く外国人アルバイトの方々の場合は、同国人同士のネットワークを活用する例が多く見られます。

このネットワークを通じてスタッフ同士で助け合ったり、必要に応じて『それは私たちの仕事ではありません』とバイトスタッフが一丸となって拒否したりすることも珍しくありません」

写真はイメージです
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たしかに、スタッフ間での連携があれば個人で声を上げるよりも強い力を発揮することができるかもしれない。

「さらに、労働契約の内容を事前にしっかりと把握しておくことがとても重要です。契約書や労働条件を通知する書面には、休日の扱いについても明記されているはずです。

年末年始休暇は特別休暇として取り扱われるのか、それとも固定シフト制のため通常のシフト通りに働かなければならないのかを確認しておく必要があります。

いくらスタッフ同士で連携を取っても、契約内容を理解していなければ不利な状況に陥ってしまう可能性があります。年末年始などの繁忙期に備え、事前に契約内容を確認し、トラブルを未然に防ぐことが重要です」