Xと同様の「いいね」「リポスト」

「mixi2」で特徴的な機能は「ホームタイムライン」である。自身が参加したコミュニティ内の投稿や、フォローしたユーザー個人の投稿をホームタイムラインで見ることができる。

「ホームタイムラインではフォローした他ユーザーの投稿や参加したコミュニティの情報が集約して表示されます。競合サービスと異なり、レコメンドではなくユーザー自身が構築したフォロータイムラインをデフォルトにしている点が特徴です」(同)

Xと似たタイムライン
Xと似たタイムライン

 そしてXと同じく、他者の投稿に「いいね」や「コメント」をつけたり、「リポスト」したりすることが可能である。「mixi」にも「イイネ!」機能はあるが、リポストすることはできない。「Xを意識して開発したのか」聞いてみると、次の回答を得た。

「『mixi2』は2022年末から構想を開始し、2023年にチームを結成して開発を始めました。いいね、リポスト機能を付けたのは、『mixi2』で行われるであろう多様なコミュケーションに対応するために付けています」(同)

昨年7月にMetaがリリースしたSNS「Threads」にもリポスト機能はついている。旧Twitterはリツイート機能で世界的なSNSになったこともあり、ユーザー獲得には、やはりリポスト機能が欠かせないようだ。

また、Xと同じく「mixi2」では短文テキストが基本である。最大の投稿文字数はXの140に対し、mixi2は149.3文字と最初に表示される。ただし実際に入力できるのは150文字までだ。149.3は逆から「ミクシィ」と読めると憶測を呼んでいる。短文にした理由について「身近な話題で盛り上がれるSNSを目指すため」としている。

その他、「mixi2」独特の機能として「エモテキ」「リアクション」などの機能がある。エモテキはエモーショナルテキストの略で、投稿した文字を大きく表示させる機能だ。リアクションは最近のLINEにあるように、投稿に対して感情で反応できる機能である。

エモテキ、リアクション機能
エモテキ、リアクション機能
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フォローしていない人の投稿が出てこないタイムライン

 冒頭の通り、今年は「mixi」のリリースから20年にあたる。なぜこうしたSNSを改めて開発するに至ったのだろうか。開発目的を聞いてみた。

「近年のSNSはレコメンドアルゴリズムによる情報選別で、心理的に不安になるユーザーも多いと認識しております。不安の背景にはプライバシー保護に関する問題も含まれるでしょう。既存のSNSに対する不安が高まる中、20年の運営経験を活かし、レコメンドではなくユーザー視点にたったSNSの開発を検討した次第です」(同)

Xのタイムラインでは「おすすめ」が標準となっており、自身のフォローした相手の投稿だけを見るには「フォロー中」のタイムラインに進む必要がある。

政治、社会問題とSNSの関係性が昨今、問題視されているが、レコメンド機能が個人の思想を増強させるほか、炎上・拡散の要因にもなっている。

少なくともコミュニティ内で政治的な内容や過激な内容の投稿がされる可能性は低く、既存のSNSに辟易したユーザーにとって「mixi2」は居心地の良い場所になるかもしれない。

とはいえ「mixi2」の「発見」タイムラインもあり、ここでは恐らくレコメンドに基づいた投稿が表示されるようになっている。