「飲酒運転をしている電動キックボードはほぼ毎晩見る」
そこで今回、電動キックボードの実態を調査すべく、都内の街中でタクシー運転手にリアルな声を聞いてみた。
50代男性タクシー運転手はこう語る。
「岡井社長の持論には賛成できないです。電動キックボードは誰もが簡単に利用できてしまうから、実際は車両と認識せずにおもちゃ感覚で乗っている人が多すぎる。今まで数えきれないくらい事故りそうになったことがあるよ」
40代男性タクシー運転手も岡井社長の意見に首をかしげた。
「『違反を繰り返しているのは本当に一部』という発言は実態をあまりにも理解できていない。違反している人を見かけることなんて日常茶飯事です。ただ、最近は以前に比べて取り締まりが強化されているのか、警察に止められている電動キックボードをよく見ます。適切な罰が科せられてほしいです」
また、60代男性タクシー運転手からはこんな意見もあった。
「車の通行の邪魔になる場所に平気で駐車する人も多いので、駐車違反の取り締まりも強化してほしい」
電動キックボードの飲酒運転や2人乗りは法律で禁止されている。
今年9月には、一緒に飲酒していた知人の男子大学生(19)に電動キックボードを貸したとして、大阪府の女子専門学生(18)が道路交通法違反(車両提供)の疑いで書類送検された。
男子大学生と女子学生が2人乗りをして歩道を走行しているのを警察官が見つけ、職務質問したところ、男子大学生の呼気からは基準値を超えるアルコールが検出されたという。男子大学生についても道交法違反(酒気帯び運転など)容疑で書類送検されている。
しかし、前述のタクシー運転手はこう語る。
「若いカップルが2人乗りしているところをよく見ます。電動キックボードだから許されると思っているのか、原付とかに比べると認識が甘い人が多いですよね」
また、別のタクシー運転手の男性(40代)もこう話す。
「飲酒運転をしている電動キックボードはほぼ毎晩見ますよ。終電後の時間の繁華街に多いです。この前は酔っ払ってフラフラと逆走している電動キックボードを見ましたよ。あまりにも危険すぎる。毎年、忘年会シーズンに入るともっと増えてくるので、年末に向けて取り締まりを強化してほしいです」
忘年会シーズンの12月に入り、今後ループ利用者が増加することが予想される。くれぐれも交通ルールを守り、安全に利用してほしい。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班