有名大でもレベル低下は深刻に?「今の偏差値70は、10年前だと60」!?
場所を変え、次は偏差値40~45に分類される大学に通う学生に話を聞いてみた。彼らは、自校の環境に関して、次のように教えてくれた。
「ウチの大学は、レベルが低いと思います。それはもう自分でもわかっているんで、生き恥だけど受け入れています(笑)。課題をやるにも、WikipediaとかChatGPTを参考にしている奴が普通にいますからね。この辺には優秀な大学も多いんで、歩くときは、さもそっちの学生みたいな顔してます(笑)」(都内私立大学3年生・男性)
「昔から問題意識や社会への関心は持っていて大学に進学しましたが、いわゆる“お勉強”が苦手だったので、こんなレベルのところに通っています。研究の熱心さでは有名大学に負けてないと思うし、検定試験に向けて勉強もしているんですが……周りは頭悪そうな学生ばっかりで、正直、話が合う人はいませんね」(都内私立大学2年生・男性)
彼はさらに、驚くべき同級生の存在も口にする。
「いわゆる“やりらふぃー”みたいな学生はいますよ。試験で隣になったとき、開始前にこっそり『答え見せて!』って言ってきたりして……。何で合格できたんだろうって感じですよね(笑)。講義中も仲間同士で騒がしいし、ウチの大学の民度は、中学校・高校とほとんど変わらないと思います」(都内私立大学2年生・男性)
前出のA氏は、学生全体のレベルが低下していると実感しているそうだ。
「今は“大学全入時代”みたいな状況で、10〜20年前なら大学に進学できるレベルになかった子たちが、簡単に入学できるようになっていて。そもそも、勉強したり、本を読んだり、物事を深く考えたりする習慣がないまま大学に来ているんですよ。
有名大学でも、この1~2年はかなりひどいです。たしかに、上位の大学のほうが勉強のできる学生が多いかもしれませんが、全体的に見ると、学生のレベルが明らかに下がっている気がします。
今の偏差値70は、10年前なら偏差値60以下のレベルかもしれません。早慶やGMARCHのような大学も、学力のレベルを維持しようと思ったら、うかうかしていられないのかなと」(A氏)
A氏は、この要因として、やはり深刻な少子化の影響が大きいと感じているようだ。
「いろんな理由があるとは思いますけど、少子化が大学の窮状に非常に大きな影響を与えているのは間違いないと思います。それに、今の子どもたちの関心やニーズに合った学内改革やカリキュラムが整っていないことも、関係しているんじゃないかなと。
ある程度の学位や専門的な知識を持った人たちを、国全体でしっかり支えるような仕組みがないと、教育がどんどんおそろかになっていって、最終的には日本自体が衰退してしまいますよね……」(A氏)
イギリスの専門誌『Times Higher Education』が毎年発表している「世界大学ランキング」の最新版によれば、トップ100に入っている日本の大学は、東京大学と京都大学のみ。このまま日本の大学教育は沈んでいってしまうのだろうか。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班