大正時代の日本家屋と洋館が蕎麦屋&カフェに
鎌倉の楽しみ方でおすすめの一つは建築探索だ。
かつて別荘地として栄えた鎌倉には凝った建築の古い建物がたくさん残っていて、一般公開されていたりレストランやカフェになっていたりするものも少なくない。中でも由比ヶ浜通り近辺は鎌倉市が指定する景観重要建築物が点在しているので、ぶらぶら歩くだけでもちょっとした時代旅行ができる。
かいひん荘 鎌倉、ハリス幼稚園、旧吉屋信子邸、長谷こども会館、鎌倉彫の白日堂、寸松堂、旅館の対僊閣、のり真安齋商店などがある。
2026年まで大規模改修中の鎌倉文学館の公開も待ち遠しい。指定重要建築物ではないけれど、柴崎牛乳店も見る価値のある建物だ。
私は建築の知識はほとんどないけれど、建売なんて発想がなかった時代の職人たちの知恵と技術と情熱を感じると気分が上がる。自分の中に潜んでいた、古き良き時代への敬意と親しみがふつふつと静かに音を立て始めるのだ。
長谷にある景観重要建築物の旧加賀谷邸は、数年間をかけて蕎麦屋&カフェ「鎌倉 北橋」として生まれ変わった。この家屋が造られたのは大正時代。日本家屋の一部が洋館になっているのは当時の流行りだったという。