SNSで大炎上! すぐさま火消しに走るメルカリだが……
その後、何度も事務局にメッセージを送り続ける出品者だったが、ついには返信もなくなった。このときのメルカリの対応について、出品者のA氏は次のように語る。
「『力のないユーザーのことは相手にしないんだ』と感じてしまいました。もしかすると、複数回にわたって問い合わせした私がやっかいなので、『あきらめるのを待っているのか?』と考えたほどです。
あまりにも定型文だけで返してくるため、実際は人が読んでおらず、AIによる回答の可能性もあるのではないかと思ってしまい、『運営者には私の声は届いていない。問い合わせをないがしろにする会社なんだ』とも考えてしまいました。
とにかく『このまま泣き寝入りはしない。絶対に許さない。事務局が動いてくれないなら別の方法を考え、犯人はもちろん、メルカリも許さない』という気持ちでした」
とうとう堪忍袋の緒が切れた同氏は自身のXのアカウントで、これまでの顛末をぶちまけた。すると、瞬く間に拡散され、注目を集めることに。
〈私もこの前メルカリ被害に遭いました。買ったものと違う物が届いての被害でしたが、事務局は結局ダメダメでした。相手とのやり取り等証拠残してください〉
〈俺も昔メルカリでPS4売ったら、動作確認して送ったのに壊れてるって言われて送り返してもらったらハードディスク抜かれて返ってきたことあったな。もちろん事務局はガン無視でしたよ〉
このように「我も我も」と過去にメルカリで被害に遭った者たちが自身の経験を投稿していき、X内で「メルカリ」と検索すれば被害報告ばかりが目立つようになった。
すると、最悪の事態に気付いたのか、メルカリの「SNS担当」から出品者A氏にダイレクトメッセージが届いた。
〈社内にて再度経緯の見直しおよび補償をするよう、働きかけています。改めて事務局から連絡がいくかと思いますので、もう少々お待ちください〉
その言葉通り、補償に関する丁寧な返事がメルカリ事務局から届き、知らぬ間にお金も補填されていたという。
「『やっぱりな』と思いました。火消しに来たか、と。ひとりくらいが何か言っていても大したことにはならないだろうと放置していたが、大きな騒ぎになるとは思っておらず、焦ったのではないでしょうか。
改めて『人を選んで対応を変える不誠実な会社だ』と思いました。同時に『これで終わりになんかしない』と、さらに怒りを感じました」(A氏)
もちろん、運営以前に悪いのは違反行為を働いた購入者に違いない。ただ、メルカリ側の対応にも不信感が募るだろう。
そこでメルカリに問い合わせたところ、ガイドラインと取り組みURLを添えて「コメントは差し控える」とのことだった。
今回はSNSで炎上したことで明るみになったメルカリ上での個人間のトラブルだが、表に出ていないだけでほかにも問題は山積みのようである。
窃盗犯はもちろんのこと、メルカリにも振り回されたA氏は、最後にこう語ってくれた。
「今後、二度と同じことが起きないように、再発防止はどのように行うのかをしっかり公表していただきたいです。
そして、事務局に問い合わせがあれば定型文ではなく、人がメールを読み、安心してメルカリを利用できる回答をしてほしいと思います。このままでは誰も安心してメルカリを利用することができません。
『どうして被害者の声に全く耳を傾けなかったのか? 事務局の体制や問い合わせ対応はどのように行われているのか? そして、なぜ騒動が起きてから態度を変えたのか?』ということを説明してほしいです。
これで終わりにするなら、とてもまた利用する気にはなれません。今も実際に被害に遭われている方がたくさんいらっしゃるので、その方たち全員の声を聞き、一人ひとり誠実に対応してほしいと強く思います」
そしてA氏は最後に窃盗犯についてこう話す。
「メルカリのルールをよく知った上で、捕まらないスレスレなグレーなことをやる、かなり悪質な常習犯だと思います。
被害者だけが痛みを受け、悪質な加害者が野放しになり、また犯罪を繰り返すのは断じてあってはならないと思います。
どういう気持ちで人にゴミを送り付けてくるのか、その神経を疑います。どんな気持ちでこんなことをするのか聞いてみたいですね」
フリマアプリは今やなくてはならないサービスになっている。だからこそ、安心安全な取引ができるようにしなくてはならない。運営企業の姿勢が今こそ問われている。
取材/集英社オンライン編集部ニュース班
文/千駄木雄大