「さぼりゲームの巻」(ジャンプ・コミックス30巻収録)
今回は、両さんがすっかりゲームにハマってしまい、ゲームセンターに入り浸るお話をお届けする。
本作が描かれたのは1982年。1978年に登場したタイトーの『スペースインベーダー』が社会現象化するほどのモンスターヒットし、それによって開拓されたテレビゲーム市場が形成された。
そんな中、ナムコ(現:バンダイナムコ)が『ギャラクシアン』『パックマン』『ギャラガ』『ディグダグ』……といったタイトルを次々と送り出し、ゲーム界を席巻していた時代だ。
そしてまた、麻雀やパチンコにうつつを抜かしていた大人やヤンキー系の若者が、一挙にゲーセンの顧客と化した時代でもある。
『インベーダーゲーム』のヒット以降、喫茶店のテーブルはゲーム機内蔵式となり、デパートの屋上やボーリング場といった遊戯施設にゲームの筐体が並ぶようになったのだが、ゲーセンもテレビゲームの導入によって、その客層や営業形態が大きく変化した。
ゲーセンには、両さんのようなさぼり癖のある大人や暇を持て余したヤンキーが群れ集うようになり、客単価が大幅アップ。24時間営業をして稼ぎに稼ぎまくった。その結果、ゲーセンが乱立して過当競争が起き、1回100円のプレイ料を半額の50円に下げて集客を狙うなんて店も登場した。
なんにしても、ゲームで遊びたい子どもにとって、ゲーセンはいささかハードルの高い場所だったのだ。本作には、そんなゲーセンの当時の空気感が漂っている。
それでは次のページから、ゲーセンに入り浸る不良警官・両さんのゲーム三昧な日々をお楽しみください!!