「加工度の低い植物」を
「Eat food, not too much, mostly plants.」
(食べ物を食べる。食べすぎない。主に植物を)
これが「人間が最大限に健康であるために何を食べるべきか」という信じられないほど複雑で混乱しがちな問題に対する答えだとしている。
この言葉を少し分解してみたい。
まず「食べ物を食べる」。何を当たり前のことを……と思われた読者もいると思うが、じつはとても重要な指摘なのだ。これは「加工された食品を食べるのではなく、新鮮な食べ物を食べなさい」という意味だ。
次に、「食べすぎない」。これもシンプルな言葉であるが、とても重要だ。私たちは、とにかく食べすぎている。というより、わざわざ「食べすぎる」ように行動していると言ってもいいだろう。
最後に「主に植物を」。おそらく、この言葉は私たちにとって最も重要であり、「何を食べるか」ということの答えでもある。
食べるのは「加工度の低い植物」。メインディッシュとして野菜、果物、豆類、全粒穀物を食べる。全粒穀物とは精白していない穀物のことで、代表格は玄米。パンやシリアル、クッキーにも全粒穀物を使った食品はたくさんある。
新鮮な野菜は、大量のビタミンと数種類のタンパク質を含み、脂肪はほとんど含まない。ブロッコリー一房ならタンパク質が5グラムで脂肪はほとんどない。
果物は炭水化物、ビタミン、ミネラルが豊富で、脂肪をほとんど含まない。バナナ1本は103カロリーで脂肪はほとんどない。
ポイントは「加工度の低い植物」であること。食物というと「カロリーはいくつか」ということに関心が向きがちだが、木から摘み取ったリンゴと、加工したリンゴジュースのカロリーはさほど変わらないが、後者は多くの栄養素や繊維が取り除かれている場合がある。これでは、栄養素が少なく、カロリーだけを摂っていることになる。