ハンバーガーのお供の「あの食べ物」も発がん性物質が生成されている

発がんリスクのある食べ物3:フライドポテト、ポテトチップス

フライドポテトやポテトチップスは手軽に食べられて、おやつにもなるので、大人から子どもまで人気のある食べ物だ。
残念だが、これらにも発がんリスクがある。

「え、食べちゃダメなの?」牛肉、豚肉、ポテチに“発がん性”! 国が注意喚起する意外な食べ物3選_3
すべての画像を見る

じゃがいもを高温で揚げた加工食品には、アクリルアミドという発がん性物質が生成される。

アクリルアミドは主に接着剤や塗料、化粧品(シェービングジェル、整髪剤)などに用いられる化学物質で、動物を用いた実験の結果、大量に吸ったり触れたりすると神経毒性や発がん性があることが確認された。

2002年4月、スウェーデン食品庁は、ストックホルム大学と共同で行なった研究の結果、炭水化物を多く含むじゃがいもや穀類を高温で加熱した食品に「アクリルアミド」が生成されるということを発表した。

「食品でそんな有害な物質が生成されるなんて……」と、このニュースは衝撃をもって受け止められ、それ以来、各国で研究が進んだ。

日本では2016年4月に公表された食品安全委員会の評価書において、食品由来のアクリルアミドの摂取は、神経毒など発がん以外の影響については極めてリスクは低いとする一方、発がんのリスクについては、「ヒトにおける健康影響は明確ではないものの、懸念がないとはいえない」としている。

食品の加熱はおいしさを形成するために欠かせない調理法のため、世界中の研究機関や食品会社では、いかに「アクリルアミド」を少なくするかの研究が続けられている。

フライドポテトを食べるときは食べ過ぎに注意するように心がけたい。

ただ、本記事で紹介した3つの食品群も、食べてはいけないということでは決してない。

ステーキもフライドポテトもソーセージも、食べることでとても幸せな気持ちになる人も多いだろう。
リスクを正しく理解して、食べ過ぎに注意しながら食生活を楽しむことが大切である。

文/百田なつき

<参考・引用文献>

国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん性分類について(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/iarc.html
 
赤肉・加工肉のがんリスクについて(国立がん研究センター)
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2015/1029/index.html

赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて(国立がん研究センター)
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/2869.html
 
食品に含まれているアクリルアミド(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/acryl_amide/a_kiso/syokuhin.html

アクリルアミドとは何か(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/acryl_amide/a_kiso/about.html

加工食品中アクリルアミドに関するQ&A(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/kagaku/topics/tp021101-1.html

アクリルアミドともやし炒め〜リスク評価のその後は?(内閣府食品安全委員会)
https://www.fsc.go.jp/iinkai/20shunen/05_akuriruamido.html