ハリウッド映画から日本の人気アニメへのシフトチェンジ
また、来場動機に繋げるためには子どもからの人気だけではなく、親世代からの支持を得ることも非常に重要だと中島氏は語る。
「USJは2022年に『美少女戦士セーラームーン』とのコラボを実施し、大成功を収めました。アニメ放送時に小中学生だった30代〜40代の女性をターゲットに、親世代となったこの層を取り入れ、家族での来場動機に繋げたんです。
例えば、子どもは『スーパーニンテンドーワールド』、母親は『美少女戦士セーラームーン』、父親は『ハリーポッター』というように、それぞれに“目当て”となるコンテンツを用意し、家族全員が楽しめるような工夫が施されています」
そもそもUSJは開業当初、『ジョーズ』や『ジュラシックパーク』などの映画のテーマパークというコンセプトだったが、なぜフレキシブルに人気の漫画・アニメコンテンツを取り入れることができているのだろうか。
「『ハロウィン・ホラー・ナイト』の仕掛け人でありイベントプロデューサー(当時)の津野庄一郎さんによると、2010年代からUSJの来客数はアメリカの本家ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドやフロリダを上回り、現在ではUSJ単体での独自コンテンツを展開しやすくなったという背景があるそうです。
コラボの自由度が高まったのは、2015年当時大人気だった『進撃の巨人』とのコラボが成功したことが大きく影響しています。
このようなコラボは、出版社や漫画家などのコンテンツホルダーにとっても二次利用による利益と話題性が得られるため、双方にとってメリットの大きいプロジェクトなんです」