“既婚者専用マッチングアプリ”誕生の背景に、社会問題×テクノロジー
未婚化・少子化が問題視される日本だが、結婚・出産後も悩みは尽きない。
令和元年の厚生労働省の調査によると、離婚率は35%と3組に1組の割合※1 で、離婚原因は男女ともに「性格が合わない」が1位だ※2 。さらに結婚生活が続いたとしても、1か月以上夫婦間の性交渉を行わないセックスレスの割合は6割を超え、3年前に比べて12%増えた※3 。
今や社会問題ともいえる既婚者たちの現状。家で身体も心も満たされない彼ら彼女らは、家の外に恋愛や性行為をする相手を求める。テクノロジーの発達により、Xで「婚外恋愛」のハッシュタグをつけて募集したり、Facebookの既婚者専用の限定グループで探したりすることが容易に可能となった。
しかし、ネットでは相手の顔や性格が見えにくい。既婚者は未婚での恋愛と違い、出会いを求めていると知られてはならないからだ。
そこで誕生したのが、「既婚者専用マッチングアプリ」だった。
今回の事件で「既婚者専用マッチングアプリ」という言葉を始めて耳にしたという声が多数あがった。Xではニュースが配信された後にトレンド入りし、多くの議論を巻き起こした。
「タップル」「with」「Omiai」などの一般的なマッチングアプリでは会員数が1000万人をこえる一方で、既婚者専用では最大手と言われる「既婚者クラブ」でも30万人。この数が多いか少ないかはさておき、リスクを抱えつつも、一定数が利用していることは事実だ。
もうひとつ一般的なマッチングアプリと異なるのが、料金である。一般的なマッチングアプリの男性料金相場は月額3700円だが、既婚者専用は月額4980円~9800円と安くはない。
危険を冒し、お金を払ってまでマッチングしたいと思わせる理由は、なんなのだろうか? 実際に既婚者専用マッチングアプリを利用している男女に話を聞いた。