2010年以降に見られるようになった「シャヴィエル」表記
1549年(天文18年)に日本に初めてキリスト教を伝え、「東洋の使徒」と呼ばれた宣教師フランシスコ・ザビエル。学生時代、この表記で名前を記憶した人も多いだろう。
しかし現在の一部の教科書では、「フランシスコ・シャヴィエル」という表記が使われているという。そしてフランシスコ・ザビエル以外にも、イタリアの航海者コロンブスが「コロン」と記載される場合があるなど、表記が変更されるケースが増えているそうだ。
これに対し、前出の番組内でコメンテーターを務めた元フジテレビアナウンサーで弁護士の菊間千乃氏は、「昭和脳なので、ザビエルはザビエルだから。シャヴィエルとか、ちょっと何言っているんですか?という感じになりますよね」と納得できない表情を見せていた。
では、実際に教育機関で使用されている教科書では、どのような表記になっているのか? ある教育ジャーナリストは、次のように語る。
「2010年以降、一部の教科書では《フランシスコ・シャヴィエル》と表記され始めているようです。これまで英語読みである《ザビエル》にしていたものを、ポルトガル語読みにしたということです」
現在、全国の中学校では、東京書籍が刊行している社会科の教科書が最も多く使われている。教科書改訂は、4年に1回の頻度で行なわれているが、東京書籍ではどう対応しているのか。
そこで「シャヴィエル」の表記に関して問い合わせてみたところ、次のように回答してくれた。
「弊社の中学教科書は、2025年4月から、改訂されたものが全国で使用される予定です。内容については、今年9月半ばまでは口外しないように文部科学省から言われているため、お伝えできません。しかし現在、弊社で出版している文部科学省検定済教科書『新しい社会 歴史』では《フランシスコ・ザビエル》と表記しています」
では、「シャヴィエル」と表記しているのは、どの教科書なのだろうか。ほかの出版社にも問い合わせてみた。
「歴史の中学教科書では、すべて《ザビエル》表記にしていますし、弊社では2025年4月の教科書改訂の際にも変更する予定はありません。しかし、高校の日本史の教科書はすべて《ザビエル》と表記していますが、世界史の教科書では《ザビエル(シャヴィエル)》としているものもあります」(某教育系出版社)