芸人になるまで自分がブサイクだとわかっていなかった

──くじらさんからは、劣等感や引け目をまったく感じないです。そもそもがポジティブな性格だったんでしょうか?

そこは母親のおかげ。すごく愛情深く育ててくれて否定された記憶も一切ないので、自然に自己肯定感みたいなものが強くなったんだと思います。

そのせいで、芸人になるまで自分がブサイクってこともわかっていなくて。最初のお笑いのオーディションで「君はおもしろい顔をしてるのになんで顔を使ったネタをやらないの?」って言われて「オレっておもしろい顔なの?」って、そこで初めて気づいたんですよ(笑)。

──くじらさんの話を聞いていると、ルックスとか関係なく「人間」としてのたくましさ、頼もしさを感じて、ちょっとイケメンに見えてきました(笑)。

いや、それはないと思うけど(笑)。ただ、男性のたくましさに女性が惹かれるっていうのは婚活相談でもすごく感じます。「結婚相手として条件はいいけどなんか好きになれない」って女性側からの相談をよく受けるんですけど、このパターンで結婚に至ったケースは1人もいない。

おそらく女性は相手の男性に「弱さ」を感じると、本能的にオスとして惹かれないんでしょうね。だから「一途で優しい人がいい」と言いつつ、「いい人」は「いい人」止まりになってしまう。そこは女性の本質的な部分なのかもしれません。

昔はチャラついていたくじら
昔はチャラついていたくじら

──そんな「いい人認定」されやすい男性たちへアドバイスをするなら?

まず相手がどうであろうと自分は機嫌よくいること。そしてフラれ上手になること。例えば、合コンでオレを見た瞬間、女の子はテンションが落ちるわけです (笑)。

でも、そこでめげないで「この時間は君の人生の大切な2時間なんだから楽しくすごそうよ」「オレらの知り合いにいい男がいるかもしれないじゃん」って明るく言っちゃう。で、「付き合おうよ」ってあえて口説くと「やだよ」「一番ムリそうなのがくるか」とか向こうも軽くツッコんでくれて、それはそれでおもしろくなって盛り上がるんですよ。

しかも、その後も「やっぱりなんとかなりませんかね」ってネタにしていたら、合コンの後も連絡を取り合うようになって、最終的に付き合えたことも。僕は「勝つ恋愛より負けない恋愛をしよう」ってよく言っています。