現在は“家なき子”状態

――離婚の原因はなんだと思いますか?

彼女が思い描く夫婦生活じゃなかったんだと思います。僕の収入源がコロナで大打撃を受けた舞台だったこともあり、思うように仕事が得られず収入も安定しなかったから。

でも家事や育児にはできるだけ努力してきたつもりだし大きなケンカもしなかった。だから彼女から離婚調停を申し立ててきたときは家庭の形を保つための話し合いをしたかったんですが、そうはならなかった。

――それで離婚調停後、裁判に発展したと。

はい。彼女は離婚したい、養育費はいらないの一点張り。結局はDNA鑑定もせず僕が彼女の主張をのむ形で離婚成立しました。

まもなく4歳になる息子には大人たちの勝手な理由で結婚や離婚に巻き込んでしまって申し訳なかったと思っています。彼が大人になった後にこの事実をなんらかの形で知ることになり、心を痛めることなく生きてほしいなあと願うばかりです。

――今はどんな心境でしょうか。

やっぱり、僕のこの両手に彼を抱っこしたときの温もり、感触が良い思い出として残っているだけに、それを失ってしまった今は、辛いですね。

肩車したこの首にも、こうして乗せたあの感覚が…(やや涙目になりながら)去年11月に離れ離れになってからは会ってないけど、未だになくならない感覚です。

子どもを抱いたときの温もりを忘れられないと話す黒田さん
子どもを抱いたときの温もりを忘れられないと話す黒田さん

――その辛い心境をどう乗り越え過ごしているのですか。

幼い頃から子役をしていたからか、僕には今もこうしてインタビューを受けてる“オフィシャル黒田”と素の“プライベート黒田”がいる気がしてるんです。さらにはその頭上にこの二人を動かす筋書きを描く存在がいることも感じている。

だからこう、プライベート黒田もオフィシャル黒田もその筋書きを描いてる奴により動かされてるって感じで、次はどうくるのかなって感じでこの状況をむしろ楽しんでいる自分もいます。

――昨年11月から別居していたということですが、黒田さんはどこでどう暮らしているのですか。

いまも僕の家はありません。これまでの人生の豊かな人望を活かし、リュックサックに冬服を詰め込んだ状態で知人や親戚の家を転々としながら居候させてもらっています。

――本当の家なき子なんですね。ネットでは「働けよ!」などのツッコミもあるようですが…。

まあ、そんなのは事情も知らない人が勝手に言う言葉に過ぎませんよね。去年11月から住所がなかったので新しい仕事をしようにもできなかったんです。とはいえ映画批評の記事を書いたりライター仕事でわずかながらの収入はありましたし。

離婚成立後は、すぐさま次に作る舞台の打ち合わせの日取りも決めました。ようやく小銭を集めて住所を手に入れるフェーズに来た、というところです。